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COVID-19による米国の死亡者数を詳しく調べる


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COVID-19による米国の死亡者数を詳しく調べる

(図 Nurse Pixabay)

 

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(Fig.) 2月上旬から9月上旬までの年齢別死亡者の割合のグラフ

CDCのウエブ・サイトでデータを取得した後、ブリアン(Briand)氏は、2月上旬から9月上旬までの年齢別の総死亡率(percentages of total deaths)を表すグラフを作成しました。

 

新しいデータによれば、現在の米国は、合計のCOVID-19症例数、1日あたりの新規症例数と死亡者数で1位です。 ホプキンス(Hopkins)大学の応用経済学(Applied Economics)修士課程のアシスタント・プログラム・ディレクターの、ジェネビーブ・ブリアン(Genevieve Briand)氏は、彼女のウェビナー「COVID19死亡者数:米国データの観察(COVID-19 Deaths:A Look at U.S. Data)」で、米国疾病予防管理センター(Centers for Disease Control and Prevention、CDC)のデータを使用して、米国の死亡に関するCOVID-19の影響を批判的に分析しました。

3月中旬から9月中旬までで、米国の総死亡者数は170万人に達し、そのうち20万人または総死亡者数の12%が、COVID-19関連です。 ブリアン氏は、直接COVID-19死を調べる代わりに、米国での年齢層毎と死因毎の総死亡者数に焦点を当てました、そして、COVID-19の影響に光を当てるためにこの情報を使用しました。

彼女はこう説明しました、米国の死亡に対するCOVID-19の重要性は、米国での総死亡者数と比較を通してのみ完全に理解することができます。

CDCの ウェブ・サイトでデータを取得した後、ブリアン氏は2月上旬から9月上旬までの年齢別の総死亡率を表すグラフを作成しました、これには、米国でCOVID-19が検出される前から、感染率が急上昇した後までの期間が含まれます。

驚いたことに、高齢者の死亡者数は、COVID-19の前後で同じままでした。 COVID-19は主に高齢者に影響を与えるので、専門家達は、高齢者グループでの死亡率の増加を予想していました。 しかしながら、この増加はCDCのデータからは見られません。 事実として、すべての年齢グループの死亡率は、比較的同じままです。

「若い人よりも年配の人の方がCOVID-19による死亡者数が報告されている理由は、単純に、米国では日々、年配の人達が若い人達よりも多く死亡しているからです」と、ブリアン氏は述べています。

ブリアン氏はまたこう指摘しました、COVID-19の前後で50,000人から70,000人の死亡が見られ、次のことを示しています。この死亡者数は、COVID-19が出現するずっと前から普通でした。 それ故にブリアン氏によれば、COVID-19は、高齢者の死亡率に影響を与えなかっただけでなく、総死亡者数もまた増加していません。

これらのデータ分析はこれを提示しています、たいてい人々の仮定とは対照的に、COVID-19による死亡者数は警戒すべきものではありません。  現実に、米国での死亡者数に関して比較的影響がありません。

多くの人にとって、これはショックです。 データが私達の認識から遠く離れているのは、どうでしょうか。

その質問に答えるために、ブリアン氏は、彼女の焦点を2014年から2020年までの死因毎の死亡者数に移しました。 2020年にCOVID-19による突然の死亡者数の増加があります。 COVID-19が2020年初頭に米国で出現したために、これは当然のことで、したがって、COVID-19関連の死亡者数はその後劇的に増加しました。

2018年の死因毎の死亡者数の分析は次のことを明らかにしました。総死亡者数の季節的増加のパターンは、あらゆる原因による死亡者数の増加の結果で、上位3つは心臓病(heart disease)、呼吸器疾患(respiratory diseases)、インフルエンザでの肺炎(pneumonia)です。

「これは毎年真実です。 米国では毎年、私達が季節的な浮き沈み(ups and downs)を観察するとき、総ての死因による死亡者数が増加しています」と、ブリアン氏は指摘しました。

ブリアン氏がその季節の2020年のデータを調べたとき、COVID-19関連の死亡者数は心臓病による死亡者数を上回りました。 死因の第1位として、心臓病が常に蔓延しているので、これは大いに珍しいことでした。 しかしながら、死亡者数を詳しく見てみるとき、彼女は何か奇妙なことに気づきました。 ブリアン氏は、2020年から2018年のその期間中の死因毎の死亡者数を比較したとき、彼女は次のことに気付きました。総ての死因で予想される劇的な増加の代わりに、心臓病による死亡者数は大幅に減少しました。 さらに驚くべきことに、下のグラフに見られるように、この突然の死亡者数の減少は、他の総ての死因で観察されています。

 

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(Fig.1) 2020年から2018年までの期間の死因毎の死亡者数のグラフ

 

この傾向は、過去の総ての年に観察されたパターンとは、完全に反対です。 興味深いことに、下の表に示されているように、他の死因による死亡者数の全体的な減少は、COVID-19による死亡者数の増加とほぼ正確に等しくなります。 ブリアン氏によれば、これは次の提示をしています、COVID-19の死亡者数は誤解を招きます。 ブリアン氏は次のように考えています。心臓病、呼吸器疾患、インフルエンザでの肺炎による死亡者数は、代わりにCOVID-19によるものとして再分類(recategorized)されたのかもしれません。

 

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(Fig.2) COVID-19を含め、さまざまな死因による死亡者数の全体的な減少

 

CDCは、COVID-19関連している総ての死亡者数を、単純にCOVID-19による死亡者数として分類しました。 他の基礎疾患(underlying diseases)[が死因]で亡くなっている患者でさえ、COVID-19に感染していると、COVID-19による死亡者数としてカウント[加算]されます。 これは、COVID-19による死亡者数が劇的に増加した一方で、他の総ての疾患による死亡者数が大幅に減少しまた理由の主な説明である可能性があります。

「これは総て次の証拠がないことを指摘しています、COVID-19は過剰な死亡を引き起こしました。 総死亡者数は、通常の死亡者数を上回っていません。 私達は、反対の証拠は見つかりませんでした」と、ブリアン氏は結論付けました。

 

ニュース・レター(The News-Letter)誌とのインタビューで、ブリアン氏はCOVID-19による死亡者数が、次の理由の誤解を招くと言えるかどうかの問題について述べました。他の基礎疾患により、感染症が悪化し、死亡[者数]につながることさえあったかも知れません。

「もしも、[COVID-19死亡者数]が少しでも誤解を招くものでなければ、私達が観察すべきことは、心臓発作(heart attacks)数の増加とCOVID-19数の増加です。 ですが、心臓発作の数は減少しており、そして、他の総ての死因は私達に選択肢を与えませんが、しかし、いくつかの誤分類を指摘します」と、ブリアン氏は答えました。

言い換えると、米国での死亡者数に関するCOVID-19の影響が疑わしいと考慮されるのは、他の死因による予想される死亡者数に加えて、総死亡者数かまたは本当の死亡負担(death burden)が大幅に増加した場合にのみ発生します。 COVID-19前後の総ての死因による総死亡者数が同じままであるため、ブリアン氏の見解ではこう言い難いです、COVID-19の死亡者数は懸念されています。

ブリアン氏はまたこう簡単に述べました、米国での死亡者数に関してCOVID-19の効果を真に解読するために、より多くの研究とデータが必要です。

話を通して、ブリアン氏は、COVID-19は国内そして世界的に深刻な問題なことを常に強調しましたが、彼女はまたこうも強調しました、社会は決して一般的な死のより大局的な見地の注目(focus)を決して失うべきではありません。

 

COVID-19かまたは他の死因による愛する人の死は常に悲劇的です、とブリアン氏は説明しました。 各々の命は等しく重要であり、そして私達は次のことを思い出させるべきです。世界的パンデミック(pandemic)の間でさえ、他の死因による悲劇的な人命の損失について、私達は忘れてはなりません。

ブリアン氏によれば、COVID-19死亡者数の過度の誇張は、COVID-19関連の死亡者数を常に強調し、そして社会の他の自然な死因による死亡者数の習慣的な見落としの結果なのかも知れません。

 

イベント後のニュース・レター誌とのインタビュー中に、応用経済学の修士候補のプールナ・ダルマセナ(Poorna Dharmasena)氏は、ブリアン氏の結論について彼の意見を表明しました。

「結局のところ、それは依然として致命的なウイルスです。 そして、過度に誇張しているかどうかは、ある程度は、無関係です」と、ダルマセナ氏は言いました。

死亡者数のこの誇張について、国民が知らせるべきかどうか尋ねられたとき、ダルマセナはこう述べました、人々には真実を知る権利があります。 しかしながら、COVID-19は、脆弱な人々(vulnerable population)を守るために、依然として致命的な病気として切れ目なく扱われるべきです。

 

 

----- 出典 -----

drive.google.com(同様な記事)

A closer look at U.S. deaths due to COVID-19 - PDF

(関連記事)

www.jhunewsletter.comprincipia-scientific.com

 

----- 2020/11/27公開の記事を読んで -----

ジョンズ・ホプキンス大学が掲載を引っ込めたニュース・レターとのことです。統計の専門家とも言える経済学部の大学院生がCDCのウェブ・サイトからより丹念にデータを拾い、項目を選び、経過を追跡するグラフを作成したところ、COVID前後での米国の死亡者数がほぼ変わらない結果になった。なお、CDCの発表値が誤りならば、この研究も誤りとなります。

これは、WHOが指定した死因コードに従い集計されると、このようになると言う正しい結果です。この死因コードはCDCのみならず、各国の保健当局や厚生労働省も右にならえしています。

世界保健機関(WHO)による新型コロナウイルスに関する「疾病及び関連保健問題の国際統計分類第10 回改訂(ICD-10)」における対応について – 厚生労働省 PDF

この死因コードがCOVID死を膨らませることになっているのは、以前にも取り上げた通りです。

ジョンズ・ホプキンス大学は、WORLDMETER - COVID-19 Coronavirus Pandemic で感染者数や死亡者数を発表していますが、この数字の信頼性は大丈夫なのでしょうか。

なお、本編の最後にも書かれていますが、流行り病はありますので誤解なさらないように。

 

----- パズルのピース -----

zzak.hatenablog.jpzzak.hatenablog.jpzzak.hatenablog.jpzzak.hatenablog.jpzzak.hatenablog.jp