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COVID-19ワクチンを急ぐことの危険性


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COVID-19ワクチンを急ぐことの危険性

(図 Medical Pixabay)  (Fig.) アーティクル・イメージ

 

伸縮自在な試験の実施計画と承認は、私達皆を不必要な危険にさらすかも知れません

2020年末までのCOVID-19ワクチンに対する興奮と熱意は、明瞭ですし理解できるものの両方です。 私達は皆、パンデミックの迅速な終結と効果的なワクチンが確実な解決策になることを望んでいます。 しかし、今年の終わりに提供されるファスト・トラック(fast-tracked)されるワクチンに伴うリスクがありますし、少なからぬワクチン自体の安全性に関連する危険性があります。

  • ファスト・トラックは、医療ニーズの高い治験薬を米国FDAが優先的に審査を行う制度

伸縮自在(telescoping)な試験の実施計画(time lines)と承認は、私達皆を、ワクチンに関連する不必要な危険にさらすかもしれません。 ワクチン候補の潜在的な安全性と有効性を評価するための前臨床試験(preclinical trials)には、数万人の患者を含みそうな一方で、そんなにも多くの人に投薬されるだろう薬の安全性を評価するために、その[試験の]数が十分に大きく、そして試験が十分長続きするかどうかは依然として不明です。 米国だけでも、最初に成功した[ワクチン]候補を、何億人もの人々に予防接種することを計画しています。 1億人に与えられたワクチンで、1000人あたり1人の重大副作用は、さもなければ10万人の健康な人々に危害を及ぼすことを意味します。

  • 臨床試験は、動物を対象にする新薬、あるいは新しい浸入性の医療機器の実験室での試験

あらゆるワクチンに付随する安全性の問題は別として、COVID-19に対して特に注意することには大義名分があります。 一部のワクチンは、保護するよりもむしろ、感染に[続いて起こる]結果をさらに悪くします。この現象は抗体依存性増強(antibody-dependent enhancement、ADE)と呼ばれます。 コロナウイルス(coronavirus)ワクチンを開発する以前の試みで、ADEが観察されています。 懸念に加え、ADEの典型的な抗体は、一部のCOVID-19患者の血中に存在します。そのような懸念は現実のものです。 2016年までには、デング熱ウイルス(dengue virus)から子供を守るつもりでいた Dengavxiaは、ワクチンを受けた子供達の入院を増やしました。

  • Dengvaxia®は、デング熱を予防するワクチンとして世界で初めて承認された、CYD-TDVのブランド名、サノフィ・パスツール製造。

可能性のあるワクチンの有効性のあちらこちらにも、また疑問が生じます。 現世代のCOVID-19ワクチンについて私達が知っていることがほとんどないことは、人々を感染から守るそれらの能力に関して深刻な問題を提起しています。 私達はこれを知っています、ヒト以外の霊長類(primates)で現在までに試験された総ての[ワクチン]候補は、人間の感染の主な経路である鼻腔(nasal passages)の感染から、あらゆるサルも保護できませんでした。 感染から完全に保護できないことは、SARSとMERSの原因の2つの他の致命的なコロナウイルスからサルを保護する試みについて、私達が知っている総てに適合します。

より明るい注目の上で、ワクチン候補の少なくともいくつかは、重要な免疫応答を高めました。 サルは、鼻、肺、直腸(rectum)を同時に経由して高用量のウイルスにさらされたときでさえ、目立った病気になったり、COVID-19の生命を脅かす結果の多くを示したりすることはありませんが、しかし、それが人間の保護にどのように翻訳されるかは断定できません。 最も深刻なCOVID症状の多くは、疾病経過の後半、時には曝露後4〜5週間まで現れないために、症状改善の基準がより低くてさえも、私達が新しいワクチンの有効性を判断するために十分な時間がない可能性があります。

 

効果的なCOVID-19ワクチンは、私達の管理を超えたいくつかのハードルにも直面しています。 私達が年をとると、ワクチンに応答する私達の能力は低下します。 予防接種への抵抗は30歳の早い段階で始まりますし、そして時間とともに進行的に根深いものになります。 60歳以上の方達が最も危険な状態の人口なので、それは特に厄介です。 年配者達の予防接種は、反復投与をすること、および強力な免疫賦活剤(adjuvants)でワクチンの有効性を高めることにより、時々成功するかもしれません。 けれども、これらの免疫賦活剤はとても年老いた者に対して特に危険です。

  • 免疫賦活剤は、生体の免疫機能を活性化させ,低下している防御力を増強させる薬物

もしも、最も必要としている人々に限られた恩恵しかもたらしえず、そうでなければ健康な人を危険に置くかもしれないのならば、2020年にワクチンに向けて私達の道を急ぐことは、愚かなことのようです。 危険度は、COVIDワクチンだけが持つかも知れない危険を遥かに超えています。 一般的にワクチンに対する公的支援は、既に争点です。 もしもCOVIDワクチンが上手くいかないのならば、他の人名救助のワクチンへの信頼はさらに損なわれ、そうして、もし予防接種率が下がったのならば、そしてもっと多くの人々、特に子供達が危険な状態になります。

 

そうです、私達は皆、アウトブレイク(outbreak)[大発生]の終結をますます切望しています。 しかし、特に私達が他の解決策を手にしているとき、危険な状態の総ての方達に効果的な安全なワクチンは待つ価値があります。 私達はアジアの国々の経験から既に次のことを知っています。エピデミック(epidemic)[流行]は、基本的な公衆衛生対策によってその軌跡で止めることができます:広範な検査、接触の追跡、それと強制の管理された検疫(quarantine) - 多くの人達が想像するように、必ずしも陰気な公衆衛生施設ではなく、事実上の監督のある私達の家にいるか、またはホテルの環境にいることになります。 これらの努力だけでも、わずか数週間以内に新たな感染をほぼゼロまで下げられました。

加えて、私は次のように考えています。モノクローナル抗体(monoclonal antibodies)の組み合わせかまたは真に有効な抗ウイルス薬(antiviral drugs)を用いて、暴露から最も危険な状態の方達を保護することは、今年の年末前に可能になるでしょう。 これらの薬は、病気の人々を治療することができ、そしてさらなる感染を防げました。 現実的な期間枠でワクチンを探求することに加え、私達はまた、安全に市場に出すために歴史的に遥かに速かったこれらの他の種類の医学的な解決を支援してゆくべきです。

 

私達が、パンデミックを緊急に終わらせる必要があることは間違いありません。 世界中の経済が崩壊しています。 政府は、何兆ドルもの借金を積み重ねています。 そして、米国だけでも、数千万人が仕事も収入もありません。 しかし、そのような数と比較しても、依然としてあまりにも高すぎるコストがあります。 私達がパンデミックの解決策を手にしているとき、私達は、COVIDワクチンを急いで市場に出すことで、潜在的に命が失われる危険を冒せません。 私達は、医学界の中心的な言明は、第一に危害がないことを貴いものとして保つ必要があります。 科学がワクチンまたは化学的予防(chemoprophylactic)の薬の治療の形態で医学的解決を届ける時間を与えられたと信じて、その間に、新しい感染を無くすために上手くゆくことを、私達が今日、知っている衆衛生戦略を直ちに実行しましょう。

 

 

----- 出典 -----

www.scientificamerican.com

 

----- 2020/06/22公開の記事を読んで -----

ワクチンで話を進めていますが、製薬会社での新薬開発の一部分を伝えています。前臨床試験動物実験のことですが、製薬会社の創薬研究所の部門で言うと、薬物動態試験/安全性評価試験(毒性試験)におおよそ相当します。開発時間の短縮をするためには実験の省略となるでしょう。

当局に緊急承認された後で市中で使われ始めることは、治験という名の人体実験と言うことになります。

以前に創薬研究者から「研究している化学物質は承認されて初めて医薬品となる。我々は日々化合物を扱っており、5年後10年後にどうなるか、どんな影響が出て来るかはわからない。」 一字一句は正確に覚えていませんが、およそこのような内容のことを言われたことを思い出します。

 

----- パズルのピース -----

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