宇宙で発見された、LHCより100倍強力な一種の宇宙「粒子加速器」
宇宙で発見された、LHCより100倍強力な一種の宇宙「粒子加速器」
(図 NGC 3079 (captured by the Hubble Space Telescope) ウィキメディア経由パブリックドメイン)
天文学者達は最近、巨大な宇宙のスーパーバブル[超気泡]の発見を報告しました。それは巨大な粒子加速器のように作用し、大型ハドロン衝突装置(Large Hadron Collider、LHC)よりも100倍強力です。
この発見は、地球から6,700万光年の距離にあるNGC 3079と呼ばれる銀河系でなされました。
A Quick Look at NGC 3079 Superbubbles
(1:08) 2019/03/01
NASAの強力なチャンドラX線天文台(Chandra X-Ray Observatory)を使って、巨大な宇宙のスーパーバブルが天文学者達により観測されました。 その構造は何千光年もの間伸びています。
研究者達は宇宙のバブル[泡]を、銀河の真ん中にある「超巨大ブラックホール」の両側にある2つの明るい質量として、見つけました。
チャンドラX線天文台からの声明によれば、「一対の風船のような領域は、銀河の中心の反対側に広がっています: 1つは直径4,900光年であり、もう1つはわずかに小さいだけで、直径は約3,600光年です。前後関係のために、1光年は約6兆マイルまたは9兆キロメートルです。」
(Fig.1) 宇宙のスーパーバブルと超巨大ブラックホールの位置関係 (クレジット:NASA / CXC /ミシガン(Michigan)大学/ J-T Liら)
バブルがどのように生成されるのかは、まだわかりませんが、天文学者達は、超大質量ブラックホールに落ちる物質が巨大な宇宙粒子加速器として機能する可能性があると考えています。
NASAが指摘したように、巨大なバブルはジュネーブ(Geneva)のLHCよりも最大100倍強力です。
(Fig.2) 宇宙のスーパーバブルと超巨大ブラックホール (クレジット:NASA / CXC /ミシガン大学/ J-T Li ら; 光学:NASA / STScI)
NASAによれば、「画像の右上に紫色で示されているスーパーバブルは、とても熱いので、NASAの地球を周回するチャンドラ X線天文台によって検出されたX線を、それらは放出します。バブルがNGC 3079の中心をまたぐので、主な仮説は次のようになります。それらはどういうわけか、中央の超巨大ブラックホールと周囲のガスとの相互作用によって生まれました。」
「あるいは、スーパーバブルは、その銀河の中心部の近くにある多くの若くて熱い星からの精力的な風により、主に創られた可能性があります。唯一の類似の既知の現象は、私達の天の川銀河の中心から発しているガンマ線を放射するフェルミ・バブル(Fermi bubbles)で、10年前にNASAのフェルミ衛星によって撮られた画像で発見されました。」
「NGC 3079スーパーバブルの性質に関する研究は、他の銀河で高エネルギーの超バブルを探すのと同様に、確実に続くでしょう。」
さらに、チャンドラによって指摘されたように、NGC 3079でのスーパーバブルの発見は、それらと類似した構造が、定期的に地球を爆撃する「宇宙線」と呼ばれる高エネルギー粒子の源となり得るという証拠を提供しています。
科学者達は、NGC 3079のスーパーバブルは、2010年に天の川銀河に最初にあった「フェルミ・バブル」の若い従兄弟だと指摘しています。
----- 出典 -----
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(同様な記事)
www.livescience.comnews.umich.edudailygalaxy.com
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銀河の中心には超巨大ブラックホールがあり、そこから想像できないほど広い領域に、粒子が噴射されているようです。どうやらブラックホールからこれほどの噴射があるのは驚きです。ブラックホールはその重力で総てを呑み込むと理解していますが、どうやら違った一面がありそうです。あらためて、ブラックホールの宇宙での役割とは何なのか、考えさせられます。宇宙空間は、謎だらけです。
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