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CERNでの測定は、新しい物理学の可能性を提示します


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セルン(CERN)での測定は、新しい物理学の可能性を提示します

(Fig.)  アーティスト・イメージ (Pixabay パブリックドメイン )

 

20世紀半ばから後半にかけて、量子力学の物理学者は、アインシュタイン相対性理論が提示した物理学の統一理論(unified theory of physics)をはっきりと取り上げました。 ラージスケールの物理学は重力によって支配されましたが、量子力学のみがスモールスケールの観測を記述することができます。 それ以来、物理学者が重力かまたは量子力学を拡張して、他のものをより基本的なものとして他のものを包括させようと試み、重力と他の3つの基本的な力との間の理論的な絡み合いが続いています。

大型ハドロン・コライダー(Large Hadron Collider)からの最近の測定値は、標準モデル(Standard Model)の予測との不一致を示しています。それは、量子力学によって記述された根底にある宇宙のまったく新しい領域を暗示するかもしれません。 これらの異常を確認するには、繰り返しの再現テストが必要ですが、こうした確認は、今日までの素粒子物理学に関する最も基本的な記述の転換点を意味するでしょう。

 

(Fig.1) 螺旋のアーティスト・イメージ

 

量子力学の物理学者は、最近の研究でこれを発見しました。標準モデルの周波数予測により、中間子(mesons)は、カオン(kaon)粒子とミュー(muon)粒子に十分な頻度で崩壊しません。 著者達は、大型ハドロン・コライダー (LHC) のパワーを強化すれば、この不一致の原因となる新しい種類の粒子が明らかになる考えに同意しています。 データや理論の誤りが原因で矛盾が生じるかもしれませんが、新しい粒子の代わりに、改良されたLHCは、物理学の最先端にあるいくつかのプロジェクトにとって恩恵をもたらすでしょう。

標準モデル

標準モデルは、物理的現実を支配すると考えられている4つの基本的な力のうちの、3つを記述する量子力学で確立された基本理論です。 量子粒子(Quantum particles)は、クォーク(quarks)とレプトン(leptons)の2つの基本タイプで発生します。 クォークは、陽子(protons)や中性子(neutrons)のような粒子を作るために、さまざまな組み合わせで結合します。 陽子、中性子、電子(electrons)は原子の構成要素なので、私達は慣れ親しんでいます。

レプトンのグループ」は、ミュー粒子のような電子のより重いバージョンを特長とし、クォークは数百の他の複合粒子に合体することができます。 これらのうちの2つ、ボトム(Bottom)とカノン(Kaon)の中間子は、この量子のミステリアスな犯人でした。 ボトム中間子(B)は、ミュー粒子(mu-)と 反ミュー粒子(mu +) 粒子を伴うカノン中間子(K) にまで崩壊します。

異常

彼らは、分散(sigma variance) 2.5、または1/80の確率(probability)で発見しました。「この意味は、予期しない影響があります。すなわち新しい物理学が存在しない場合には、観測から逸脱した分布が約1.25%発生するでしょう」と、ローレンス・バークレー国立研究所(Lawrence Berkeley National Laboratory)の上級科学者、スペンサー・クライン(Spencer Klein)教授は、フツリズム(Futurism)誌に伝えました。クライン氏はこの研究に関与しませんでした。

この意味は、LHC陽子衝突試験の間に、奇妙なクォークに崩壊する中間子の周波数が期待している周波数よりも少し下がったことです。「ここの緊張は、標準偏差(sigma) 2.5 [または通常の減衰率からの標準偏差]で、どちらかのデータが少し離れているか、理論が少しずれているか、それは標準モデルを超えた何かのヒントです」とクライン氏は述べました。「私は、素朴に、最初の2つのうちの1つが正しいと言いたい。」

クライン氏にとっては、LHC操作のためにコンピュータによって実行される大量のデータを考慮すると、この差異は避けられません。 「ペタバイト[Petabyte](1015 bytes)サイズのLHCデータセットと現代のコンピュータでは、さまざまな量のとても多くの測定ができます」とクライン氏は述べています。「LHCは何百もの結果を生み出しています。統計的に、それらのうちのいくつかは、標準偏差2.5の変動を示すことが期待されています。」 クライン氏は次のように記しています。素粒子の物理学者は通常、泣き叫ぶ前に、標準偏差5の変動を待つことに注意しました。おおよそ350万分の1のデータの変動に相当します。

 

(Fig.2) セルン(CERN) の写真

 

これらの最新の異常の観測は、真空中には存在しません。「この2つの組み合わせの興味深い側面は、前年度に作られたB中間子を含むプロセスの他の異常測定とどのように連携しているかです」 ケンブリッジ大学(University of Cambridge)のゴンヴィル(Gonville)とカイウス大学(Caius College)で、理論物理学の研究とジュニア研究員の共同研究者、テボン・ユー(Tevong You)博士は、フツリズム誌に伝えました。「これらの独立した測定はあまりクリアではありませんでしたが、かなり重要です。全体として、これらの異なるものを測定し、すべてが一貫した方法で標準モデルから逸脱する可能性は、16,000分の1近くの確率です。または標準偏差4 です」と、テボン氏は述べました。

標準モデルの拡張

統計的または理論的な誤差を除いて、テボン氏は、異常がレプトクォーク(leptoquarks)またはZプライム(Z prime)粒子と呼ばれるまったく新しい粒子の存在を隠している、と考えています。ボトム中間子(bottom mesons)の内部で、新しい粒子の量子励起(quantum excitations)は、通常の減衰周波数(decay frequency)を妨げている可能性があります。この研究で、アップグレードされたLHCが、新しい粒子の存在を確認することで、プロセスの標準モデルを大幅に更新すると、研究者達は結論づけました。

「宇宙の基本的な理解のためには革命的でしょう」と、テボン氏は述べました。「素粒子物理学では、それは自然の別の層を剥がして、最も基本的な建物のブロックを発見する旅を続けていることを意味します。これは、初期の宇宙を理解するための私達の基本的な理論に依存しているので、宇宙論には意味を持つでしょう」と、彼は付け加えました。「宇宙論素粒子物理学の間の相互作用は過去に非常に有益でした。ダークマター(dark matter)については、Zプライムやレプトクォークが埋め込まれている同じ新しい物理学セクターから出てきたなら、私達がこの新しいセクターを探索するときに、その兆しが見えるかもしれません」

知るべきパワー

これまでのところ、LHCの科学者達は、より高いエネルギーレベルで存在する粒子を暗示している幻影や異常を観察していました。 それらの存在を証明するために、物理学者は間接的な兆候を確認する必要があります。それはLHCb実験がより正確な測定を行うためにB崩壊に関するより多くのデータを収集する間の忍耐が必要なことを意味します」と、テボン氏は述べました。 「今後数年以内にオンラインになるはずの別の実験、Belle IIによる独立した確認も得られます。結局のところ、B崩壊の測定が標準モデルの予測とまだ一致していなければ、標準モデル以外のものが責任を負わなければならず、レプトンクォークやZプライム粒子を指すのではないか」と、付け加えました。

その存在を確立するために、物理学者はボトム中間子(Bottom mesons)やヒッグスボゾン(Higgs bosons)が生成されるのと同じ方法で、コライダーで粒子を生成しそれらを崩壊させることを目指します。 「LHCの衝突からレプトクォークやZプライムが飛び出すのを見る必要があります」と、テボン氏は述べました。 「LHCでこのようなエキゾチック(exotic)な粒子を見たことがないという事実は、それがあまりに重いかもしれないことを意味し、それらを生成するにはより多くのエネルギーが必要となるでしょう。 それは私達の論文で推定したことです:より高いエネルギーを持つ将来の衝突者で、レプトクォークやZプライム粒子を直接発見する可能性です。」

LHCのための量子跳躍

LHCで新しい粒子を探し出すことは、待ちのゲームではありません。 新しい現象を観測する可能性は、衝突した粒子がどれだけ拾われるかに正比例します。 「粒子が多く現れれば、その衝突の間に起こる他の多くの背景イベントの中で、その粒子を見つけ出す可能性が高くなります」と、テボン氏は説明しています。 新しい粒子を見つけるのは、乾し草の中の針を探すのに似ています。もし乾し草がそれらといっしょに満杯ならば、針を見つけるのは簡単です。 「生成の割合は、粒子の質量とカップリングに依存します。より重い粒子は、より多くのエネルギーを作り出します」と、述べました。

 

(Fig.3)  加速器の写真

 

このため、テボン氏と共著者のB.C.アラナック(B.C. Allanach)氏とベン・グリピオス(Ben Gripaios)氏は、LHCループの長さを延長し、粒子を加速させるのに必要な磁力を減少させるか、または現在の磁石をより強いものに交換するかを勧めています。

テボン氏によれば、セルン研究所(CERN laboratory)は、2030年代半ばまで現在の構成でLHCを稼動させ続ける予定です。 その後、彼らはLHCの磁石をアップグレードして、その強さをおおよそ倍増させるかもしれません。 スープ・アップ磁石に加えて、トンネルは現在の27〜100km(17〜62マイル)の拡大となるでしょう。 「組み合わせた効果は、LHCより約7倍のエネルギーを与えるでしょう」と、テボン氏は述べました。   「完成のためのタイムスケールは、少なくとも2040年代になるでしょう。故に、意味のある予測をするのは時期尚早です。」

レプトクォークまたはZプライムの異常が確認されたのならば、標準モデルは変更されなければならない、とテボン氏は繰り返します。「次世代のコライダーが、直接アクセスできるエネルギーのスケールで変化しなけれ、ばならない可能性がとても高いので、私達の回答を保証するものです」と付け加えました。 ダークマターが、Zプライムやレプトクォークの背後にある物理学とどんな関係があるのかは分かりませんが、私達ができることは探求であって、「コライダーでの可能な限りの異常値の測定、より小さな粒子の物理実験、ダークマターの探索、宇宙論的や天体物理学的な観測などです。」と、彼は述べました。 「そして夢は、私達がさまざまな異常の間のつながりを形成することができることで、単一のエレガントな理論で結び付けられることです。」

 

リファレンス:

www.theguardian.comarxiv.org

 

----- 出典 -----

futurism.com

 

 

----- この記事を読んで -----

原子は何でできているのか、そうした極小のミクロよりももっと小さい世界の成り立ちを解明しようとする物理学の分野があります。量子力学素粒子物理学原子核物理学、その実験施設ですと高エネルギー研究所などの名前が付いている分野です。簡単に言ってしまうと、原子核のような粒子同士を、とことん思いっきり衝突させて壊して、壊れた断片として飛び散る粒子が何かを調べています。ものを壊すのは、それなりにエキサイトすることなのかもしれません。

なお、粒子が衝突するときの瞬間のエネルギーは、それはそれは高いエネルギー(TeV、テラ・エレクトロンボルトと言う単位が使われます) なのですが、持続しない瞬間のエネルギーです。

一方で、セルンについて違った一面の噂の記事もありますので、別途ご紹介させていただきます。

 

CERNについて:欧州原子核研究機構 - Wikipedia

国内の加速器の情報:加速器 - Wikipedia

 

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