
コロナウイルスの死亡率は、100年前の結核BCGワクチンを使用している国で6倍低い
(図 免疫 Pixabay)
- BCGワクチンは、感染を防ぐために人の免疫系(immune system)を増強すると考えられています
- 現在、コロナウイルスによる死亡を防ぐのに役立つかを確認するために、試験中です
- ジョンズホプキンス(Johns Hopkins)の科学者達は、1世紀のジャブ(jab)を使用する国で死亡率が5.8倍低いことを発見しました
バチルス・カルメット=ゲラン(Bacillus Calmette-Guérin、BCG)のジャブを含む広範な予防接種プログラムを実施している国の
新型コロナウイルスによる死亡率は、それを使用していない国のほぼ6分の1です、と研究が明らかにしています。
BCGワクチンは1世紀前に発明され、そして
結核(tuberculosis、TB) - 細菌感染 - に対する免疫を与えますが、他の恩恵があることも知られています。
以前の試験では、次のことを発見しました。わずか30ポンド(約4,000円)の費用でジャブを受け取る人々が、免疫系を改善し、感染から身を守ることができます。
例えば、
ネイティブ・アメリカン(Native Americans)の試験で、小児期のBCGワクチン接種は、予防接種後60年まで
結核に対する保護を提供できました。
この耐久性のあるワクチンが他の感染を防ぐのに役立つ正確な方法は、比較的不明ですが、しかし、それは免疫系の生得のメ
カニズムを高めることによるのかもしれません。
(Fig.1) アーティクル・イメージ
BacillusCalmette-Guérin (BCG)ワクチン(写真)は結核(TB)を防ぐために使用されますが、人の免疫系が呼吸器感染症を防ぐのを助けるなど、他の健康上の利点があることが長い間知られています
イギリスでは、1953年から2005年の間に、10歳から14歳までのすべての学童にワクチンが注射されました。
結核感染率が低下したため、医師は集団ワクチン接種を放棄し、2005年に、最もリスクの高いもの - 感染した親族の乳児など - のみをターゲットにするように切り替えました。
研究者達は、次のことを期待しています。免疫系がターボチャージ(turbo-charge)して、準備状態が高め、ウイルスが体に荒廃をもたらす(wreaks havoc)前に、ウイルスを検出して破壊できることです。
研究者達は、国の富やその人口の高齢者の割合など、調査結果をゆがめる可能性のある要因を調整しました。
次に、十分なデータのある各国の100万人あたりの死亡率を調べました。
米国の研究者は、彼らの論文に次のように書いています:国の経済状況、高齢者の割合、および最もヒットした国の伝染病(epidemic)の軌跡を合わせる調整した後で、BCGの使用とCOVID-19に起因する死亡率の低下との間の有意な関連性があることの、興味深い所見は識別可能なままでした。
研究はまだ査読 - 他の学者が研究を精査するプロセス - されていないため、調査結果は、ジャーナルではなくて、
アーカイブサイトmedRxivにオンラインで公開されました。
ジョンズ・ホプキンス・
ブルームバーグ公衆衛生学校(ohns Hopkins
Bloomberg School of Public Health)の専門家は、公的に入手可能な分析用データをプールしました。
致死率(case fatality rate)の推定値は、最も高い症例の事例を報告している上位50か国の、死亡率に関する入手可能な最良のデータから作成されました。
「異なる国で経験された異なる流行時間曲線を中心としたバイアスを和らげる(mitigate)目的で、より比較可能な時間曲線で各国を合わせるために、100番目のCOVID-19陽性症例から日数を計算しました」と、研究者達は説明します。
症例と死亡は、BCGワクチンの予防接種プログラムと比較されました。
国の経済分類により、平均死亡率が大幅に異なることも判明しました。
100万人あたりのCOVID-19死亡率は、低中所得国、高中所得国、高所得国で、各々(respectively) 0.4、0.65、5.5でした。
研究者達は、裕福な国ほど死亡率が高い事実を「直観に反する(counter-intuitive)」と呼んでいます。
(Fig.2) ワクチンのイメージ
10歳から14歳までの総ての子供に行っていたBCGジャブは、2005年に中止されました。しかし、研究者達は免疫システムがターボチャージされて準備状態が高まり、体にダメージをもたらす前にウイルスを検出して破壊できるようになることを期待しています。
学者達はそれの理由か説明することができませんが、しかし、こう述べている以前の研究を指摘します。「急性呼吸器疾患(acute respiratory illness)による死亡は、複数の社会人口統計(socio-demographic)と経済的リスク要因により、通常は低所得の状況ではより高くなります」
例えば、COVID-19は65歳以上の人々にとってより危険であることが知られており、この人口統計は貧しい国では人口が少ないです。
研究者達はこう言います、調査結果(findings)を歪める(distort)かもしれない幾つかの問題があるので、それらの結果は注意して採用されるべきです。
「[しかし、]これらすべての警告にもかかわらず、国の経済状況とCOVID19に起因する死亡率の逆相関(inverse relationship)、そしてBCGワクチン接種との強い
生態学的な(ecological)関連は、興味をそそられます。
「調査結果は、個別の無作為化された試験でのより深い疫学的精査(epidemiological scrutiny)および予期される評価(prospective evaluation)を保証するものです。」
先月、オーストラリア(Australia)で、4,000人の医療従事者を含む試験が始まりました。
試験は、
メルボルン(Melbourne)の
マードック子供研究所(Murdoch Children's Research Institute)の研究者が主導し、そして全国のさまざまな病院の4,000人の医療従事者が参加しています。
研究者達はこう望んでいます、ワクチンを投与し「自然免疫(innate immunity)」を高めることで、特殊な治療法やワクチンを開発するために十分な時間を稼げます。
----- 出典 -----
www.dailymail.co.uk
----- 2020/04/07公開の記事を読んで -----
BCG、つまり結核菌に対抗するワクチンのことで、この刺激が人間の免疫系をより強化しているのではないかとする推論です。統計的な相関としては一理あるもので、豪州での結果待ちとなっているトピックです。
このトピックは、日本での新型コロナウイルスによる死亡率が低い、ファクターXと呼ばれる原因は何か? というミステリーで、ジャパン・パラドックス(Japan paradox)とも呼ばれています。
日本と他国との違いとして、推測されているファクターXは
- 挨拶は会釈またはお辞儀で、握手やハグなどのボディ・タッチ習慣がない
- 日本では、玄関で靴を脱ぐ生活様式で、土足を家の中に持ち込まない
- 日本語の発音が、飛沫の飛びにくい発声、大声を出さない文化
- マスク習慣があり、花粉症への対策としてよりマスク文化となった
- 水資源が豊富で、手洗いや入浴が容易に行える
- 国民全員に医療保険があり、なおかつ医療の質が高い
- 何らかの遺伝的要因
- 2020年1月までの、何らかのウイルス感染の影響
などなどですが、どれも推論の域を出ません。
なおWHOは、早々とBCG説を否定しています。この理由の背景として、BCGが乳児用分としての用意くらいしかない、または用意のない国もあることなのかもしれません。
BCG - Wikipedia
ツベルクリン - Wikipedia
----- パズルのピース -----
zzak.hatenablog.jpzzak.hatenablog.jp
zzak.hatenablog.jp
----- 諸情報追記 -----
agora-web.jpwww.sciencemag.orgwww.smh.com.auagora-web.jpwww.newsweekjapan.jpjohosokuhou.com