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私達を火星に連れて行く、ロケット燃料のための月の採掘


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私達を火星に連れて行く、ロケット燃料のための月の採掘

 

(Fig.) 地球と月の間:宇宙探査のための燃料補給倉庫の供給。

 

人間が最後に地球外の天体に足を踏み入れてから45年が過ぎました。 今、月は宇宙を探索するだけでなく、恒久的に独立した宇宙開発社会を創造する中心に戻っています。

 

地球の最も近い天体への探検を計画することはもはやNASAだけ開発ではなくなり、米国の宇宙機関は2030年代初頭に火星探査の舞台となる 月周回軌道宇宙ステーション を計画しています。ロッキード・マーティン(Lockheed Martin)とボーイング(Boeing)の合弁会社であるユナイテッド・ロウンチ・アライアンス(United Launch Alliance)は、宇宙船の月給油所を計画しており、30年以内に宇宙に住む1,000人を支援することができます。

 

億万長者イーロン・マスク(Elon Musk)氏、ジェフ・ベゾス(Jeff Bezos)氏、ロバート・ビグロー(Robert Bigelow)氏は皆、月に人や物資を届けようとする企業を持っています。 3,000万米ドルの Google社の賞金の一部を競争する何チームかは、月へローバーを打ち上げようとようと計画しています。

私達と世界中の27人の学生が、2017年のカリフォルニア工科大学の宇宙挑戦(2017 Caltech Space Challenge)に参加しました。深宇宙ミッションのための月での打ち上げと供給ステーションが、どのように見え、どのように機能するかについて設計を提案しました。

ロケット燃料の原料

現在すべての宇宙ミッションは地球に基づき、地球から打ち上げられています。 しかし、地球の重力の引きは強いです。 地球の重力を逃れるためには、ロケットは毎秒11kmを移動しなければなりません - 時速25,000マイル!

地球を離れるロケットは、目的地に着き、必要に応じて再び戻るための燃料をすべて携行しなければなりません。 その燃料は重く、そのような高速度で動くことは多くのエネルギーを必要とします。 私達が軌道上で燃料を補給できれば、その打ち上げエネルギーはより多くの人や貨物や科学機器を軌道に乗せることができます。 そうして宇宙船は、地球の重力がそれほど強力でない宇宙で燃料を補給することができます。

月の持つ重力は地球の1/6で、魅力的な代替基地となっています。 月にも氷があり、現代ロケットで使用されている水素 - 酸素推進燃料をどのように造るのか、私達は既に知っています。

月の鉱山作業

NASAの月探査衛星(Lunar Reconnaissance Orbiter)、月クレーター観測(Lunar Crater Observation)と観測衛星(Sensing Satellite) のミッションで、月の永久影を描いたクレーターの中にすでに相当量の氷を見つけています。

それらの場所は、寒く、探索車に電力を供給するための太陽光がないため、掘り起こすのは難しいでしょう。 しかし、クレーターのリム(外縁)に大きな鏡を設置し、永久影領域の太陽電池パネルを照らことができます。

 

(Fig.1) 月の鉱山作業、アーティストのレンダリング。

 

Google社の Lunar X Prize とNASAの Lunar Resource Prospector のローバーは、2020年に打ち上げられる予定で、氷の採掘によい場所を見つけることにも貢献します。

月基地のイメージ

最高の氷床がどこにあるかによって、私達はいくつかの小さなロボットの月基地を構築する必要があります。 それぞれが氷を採掘し、液体推進燃料を製造し、それを宇宙船に送ります。 私達のチームは、3つのタイプのローバーでこれらの仕事を達成する計画を立てました。 私達の計画では、月周回軌道近くにある深宇宙ミッション用ビークルと会うために、数機の小さなロボット・シャトルも必要になります。

 

(Fig.2) アーティストの月面移動の概念のレンダリング。

 

プロスペクタ(探査者)と呼ばれるあるローバーが月を探検し、氷のある場所を見つけるでしょう。 2つ目のローバーであるコンストラクタ(建設者)は、後について発射台を建て、3番目のローバータイプの移動を容易にする道路を用意します。マイナ(採掘者)は実際に氷を集めて近くの貯蔵タンクに送り、水を水素と酸素に分離する電気分解処理工場に送ります。

コンストラクタは、ルナー・リサプライ・シャトル(Lunar Resupply Shuttles)と呼ばれる月付近の輸送用の小型シャトル用の発着台も建てます。シャトルは、燃料を集めるために発着台に到着し、新しく打ち上げられた宇宙船が月を通るときに配達をします。シャトルは月産の燃料を燃やし、月基地と目的の宇宙船との間を移動するための高度なガイダンスとナビゲーション・システムを備えています。

宇宙のガソリンスタンド

(Fig.3) 深宇宙ミッションに燃料補給するための燃料貯蔵所の、アーティストのレンダリング。

 

十分な燃料が生産され、シャトルのデリバリー・システムが試験され、信頼できるものになったら、私達には宇宙にガソリンスタンドを建設する計画があります。 シャトルは軌道上の燃料貯蔵所に直接氷を運び、そこで燃料に加工され、火星や他の場所に向かうロケットがトップにドッキングすることができます。

デポ(depot)には、氷を溶かすための電気分解モジュールに電力を供給する大きな太陽電池アレイがあり、そして水を燃料に変えます。さらに作られたものを貯蔵するための大きな燃料タンクがあります。NASAは、ドッキングや燃料輸送を含む、このようなデポに必要な記述の大部分をすでに手掛けています。 私達は、最初の人を送る火星ミッションに間に合うように、2030年代初頭に作業用のデポを準備することができると予想しています。

最も有用で効率的であるためには、デポは、地球と月の両方に比較的近い安定した軌道に位置しなければなりません。 地球と月のラグランジュ・ポイント1(Lagrangian Point1、L1)は、地球から月への道のりの約85%の宇宙のポイントで、地球の重力と反対向きの月の重力とが正確に等しくなる場所です。 火星や外の惑星に向かう途中の宇宙船に最適なピット・ストップです。

地球を離れる

また、私達のチームは、地球軌道から宇宙船をL1のデポに運ぶ燃費の良い方法を発見しました。これにより、発射燃料をさらに少なくし、貨物品の打ち上げエネルギーを無くしました。 最初に、宇宙船は、地球から低軌道に空の推進剤タンクを付けて打ち上げられます。

 

(Fig.4) 小惑星の上の太陽電気推進牽引のアーティストのレンダリング。

 

そうしてから、宇宙船とその貨物は低軌道からL1の拠点まで牽引することができました。それは太陽電気推進燃料を使用して、太陽発電電気スラスタによって推進する宇宙船です。

これは、火星へのペイロードの配達を3倍にします。 現在、火星へ人間を送るミッションは、1,000億ドルもかかると推定されており、何百トンもの貨物が必要になるでしょう。 より少ないロケット打ち上げで、地球から火星へより多くの貨物を運ぶことは、数十億ドルと長年の節約につながります。

宇宙探査の基地

地球と月の間にガソリンスタンドを建設することは、火星以外のミッションのコストを削減することにもなります。 NASA土星の衛星と木星の衛星に地球外生命を探しています。 将来の宇宙船は、宇宙で燃料を補給することができれば、はるかに多くの貨物を運ぶことができます。これらの衛星に大きな探査車を送ることができれば、科学的発見が可能になることは、どなたか分かっていますか。

地球の重力とその資源への依存の両方から逃れるのを助けることで、月面ガソリンスタンドは、人類を惑星間の文明にするための大きな飛躍へ向けての最初の小さな一歩となるかもしれません。

 

編集者のメモ:この話は、脱出速度と軌道を達成するために必要な速度の区別を明確にするために更新されました。

 

 

----- 出典 -----

theconversation.com

 

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月の極の永久影には氷が発見されたととれています。また、月の表面下には洞窟らしきものが最近発見されており、もしかしたら氷になった水があるかもしれません。こうした月の水資源を電気分解して水素、酸素の燃料として使おうとする現実的なプランです。次世代はこうなるだろうと想像した、手の届く未来を描いています。

ところで、電気分解用の電力をサポートする電力プラントが必要そうです。核分裂炉に取って代わり、核融合炉になるのでしょうか !? もしかしたら、コンパクトで月に移送可能な核融合炉も、実用化の目処が立っているのかも知れません。

 

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( 画像 月面探査 クレジットNASA )