デルポート・クレーター付近に降りたアポロ20号 - それは作り話
デルポート・クレーター付近に降りたアポロ20号 - それは作り話
(図 ビデオ:Apollo 20 Mission Part 1/3 Original Video よりスクリーンショット)
このトピックについて、以前にも触れましたが作り話です。架空の話というよりも、デッチアゲとか、デマとか呼ぶ方がふさわしいでしょう。
これらは、フランスの彫刻家でビデオ・アーティストの ティエリー・スペス(Thierry Speth)氏の作品です。フランス語で書かれたものしか無さそうですが、詳しくは Canular Apollo 20 — Wikipédia を参照してください。
- デルポート・クレーターの付近に墜落した葉巻型のエイリアン・ベッセル、そこで発見されたモナリサと呼ばれるエイリアンの亡骸、関連するエイリアン廃墟などは作り話です。
けれども、何故だかこのストーリーを信じ込んでしまう方もいらっしゃるようです。
葉巻型宇宙船が写り込んだのではないかとされるNASAの写真
月惑星研究所( Lunar and Planetary Institute - Wikipedia ) のサイトで公開されているものから拡大トリミングしたものです。
https://www.lpi.usra.edu/resources/apollo/frame/?AS15-P-9630
https://www.lpi.usra.edu/resources/apollo/frame/?AS15-P-9625
次の画像は、この場所に墜落した宇宙船としてアポロ20号が撮影したとして出回った画像です。
(図 ビデオ: Interview with Luca Scantamburlo on Secretive Apollo 19 20 Missions よりスクリーンショット)
グーグルアースで場所を特定する
この場所をグーグルアース(月のモード、「ルナー オービター モザイク」のレイヤ指定)で探してみると
右上のクレーターが、デルポート・クレーターです。左下のピンの場所がそうだとされる現場で、ここを更に拡大したものが下図です。
(図 Apollo 20が行ったとされる場所 GoogleEarth 18°35'26.81"S 117°42'46.39"E )
ご覧の通り、人工物の感じは受けません。何かが埋まっている可能性はあるかも知れません。
より高精細な画像
更に高精細なNASAの写真が、アリゾナ州立大学のサイトでいくつか公開されていましたので挙げておきます。 なお、画像のアングルは、上記の画像とは90°回転したものもあります。
https://wms.lroc.asu.edu/apollo/view?image_name=AS15-P-9625
https://wms.lroc.asu.edu/apollo/view?image_name=AS15-M-1720
または、https://www.lpi.usra.edu/resources/apollo/frame/?AS15-M-1720
https://wms.lroc.asu.edu/apollo/view?image_name=AS15-M-1722
または、https://www.lpi.usra.edu/resources/apollo/frame/?AS15-M-1722
いかがでしょうか。人工物の感じはしないと思います。 宇宙船/衛星から撮影したときの光の条件や、アナログ・フィルムの現像などの若干の条件の違いの濃淡などがあるのだと思います。
ここからインスピレーションを得て、CG加工をして冒頭の画像に仕上げられたのかと思います。
Canceled Apollo missions - Wikipedia
----- パズルのピース -----
zzak.hatenablog.jpzzak.hatenablog.jp
----- 参考SF映画 -----
このようなSF作品が火に油を注ぎます
(2:29) 2013/04/18