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NASA ジュノーの調査結果 – 木星のジェット気流は途方もない


NASA ジュノーの調査結果 – 木星ジェット気流は途方もない

(Fig. Cyclones Encircle Jupiter's North Pole クレジットNASA/JPL-Caltech/SwRI/ASI/INAF/JIRAM)

 

NASA's Juno Spacecraft Reveals the Depth of Jupiter's Colored Bands

(0:40)  2018/03/07

 

NASA木星(Jupiter)へのジュノー・ミッション(Juno mission)により収集されたデータはこう示しています、ガス巨大惑星(gas-giant planet)の大気の風は、その大気に深く入り込み、ここ地球上で見られる同様の大気プロセスよりも長く続きます。 調査結果は、木星の内部構造、核の質量、そして最終的にはその起源の理解を改善するでしょう。

今日リリースされた他のジュノーの科学の結果には、その巨大なサイクロン(cyclones)が含まれています。これは、木星の北極と南極を取り囲む恒久的な大気の特徴で、そして私達の太陽系で遭遇した他のものとは異なります。 調査結果は、ジュノーの科学結果に関する4つの記事のコレクションの一部で、ネイチャー(journal Nature)誌の3月8日版(2018年)に掲載されています。

「これらの驚くべき科学結果は、木星のカーブボール(curve balls)のもう1つの例で、そして、次世代の機器で、新しい視点より未知を探求する価値のための証拠です。 ジュノーのユニークな軌道と進化した高精度電波科学および赤外線技術は、これらのパラダイムシフトの発見を可能にしました」と、サンアントニオ(San Antonio)のサウスウエスト研究所(Southwest Research Institute)の、ジュノーの主任研究員、スコット・ボルトン(Scott Bolton)氏は述べました。 「ジュノーは、その主要なミッションで通る道の約3分の1だけで、私達は既に、新しい木星の始まりを見ています。」

 

(Fig.1 Cyclones Encircle Jupiter's North Pole クレジットNASA/JPL-Caltech/SwRI/ASI/INAF/JIRAM)

サイクロンは木星の極を取り囲みます

この合成赤外線画像で、2017年2月2日の間にNASAのジュノー木星ミッションに搭載された木星赤外線オーロラマッパー(Jovian Infrared Auroral Mapper、JIRAM)機器によって収集されたデータに由来し、惑星の上を通過し、惑星の北極にある中央サイクロンとそれを取り巻く8つのサイクロンを表します。 JIRAMは赤外線でデータを収集し、このコンポジットの色は放射熱を表しています:黄色(薄い)の雲の明るさの温度は華氏9度(摂氏-13度)で、濃い赤(最も厚い)は華氏-181度(摂氏83度)前後です。

 

木星の有名な、ゾーン(zones)[帯域]とベルト(belts)[帯]の根(roots)[根本]が広がる深さは、何十年もの間ミステリーでした。 ジュノーによる惑星の接近通過(close flybys)の間に収集した重力測定が、現在答えを提供しています。

「ジュノーによる木星重力場の測定は、南北の非対称(asymmetry)を示しています、そのゾーンとベルトで観察された非対称性と同様です」と、ローマ(Rome)のサピエンツァ大学(Sapienza University)からのジュノー共同研究者で、木星重力場でのネイチャー誌の論文の筆頭著者の、ルチアーノ・アイス(Luciano Iess)氏は述べています。

ガス惑星で、そのような非対称性は、惑星の深部の流れからのみ起こることができます; 木星では、目に見える東向きと西向きのジェット気流(jet streams)も、同様に北と南で非対称です。 ジェットが深ければ深いほど、より多くの質量が含まれ、重力場で表されるより強い信号を導きます。 したがって、重力の非対称性の大きさが、ジェット気流がどの程度深く広がるかを決定します。

ガリレオ(Galileo)は、400年以上前に木星の縞模様を観ました」と、イスラエル(Israel)のレホヴォト(Rehovot)にあるワイツマン科学研究所(Weizmann Institute of Science)からの共同研究者で、木星の深部の気象層(Jupiter’s deep weather layer)でのネイチャー誌の論文の筆頭著者であるヨハイ・カスピ(Yohai Kaspi)氏は述べています。 「今まで、私達はそれらの浅い(superficial)な理解しかありませんでしたが、これらの縞模様を木星のジェット[気流]に沿った雲の特徴に関連付けられました。 現在、ジュノーの重力測定に続き、私達は、ジェットがどれだけ深くい広がりか、そしてそれらの構造が目に見える雲の下にあるかを知っています。 それは、2次元の写真から、高解像度での3次元版に移行するようなものです。」

その結果はジュノーの科学チームにとって驚きでした、何故ならば次のことを示したからです。木星の気象層はより巨大で、以前に予想されていたよりもはるかに深く広がっています。 最上部から深さ1,900マイル(3,000キロメートル)までの木星の(Jovian)気象層には、木星の質量の約1%(地球の質量の約3倍)が含まれています。

 

(Fig.2 A New View on Jupiter's North Pole クレジットNASA/JPL-Caltech/SwRI/ASI/INAF/JIRAM)

木星の北極の新しいビュー

このコンピューター生成された画像は、2017年2月2日に宇宙船が木星を4回通過したときに、ジュノーに搭載された木星赤外線オーロラマッパー(JIRAM)機器が取得した木星の北極地域の赤外線画像に基づいています。

この画像は、木星の北極で観測されたサイクロンパターンの構造を示しています。中央のサイクロンは、直径2,500〜2,900マイル(4,000〜4,600 km)の範囲の8つの円周サイクロンに囲まれています。

JIRAMは、惑星から放出される熱の強度の測定により、約5マイクロメートル(µm)の赤外線波長の画像を収集できます。 宇宙に放射される惑星からの熱は、発光(radiance)と呼ばれます。

この画像は、元のJIRAM画像を誇張(enhancement)したものです。 画像に3D形状を与える目的で、誇張はこの考えから始まります、放射輝度が最も高い場所では、雲がなく、JIRAMが大気のより深いところを見れます。 その結果、画像の他のすべての領域は、本来厚さの異なる雲によって多少陰になっています。 そうして、これらの写真を作成するために、厚い雲に白っぽい色を与え、私達がここ地球での大気中に通常見られる雲のような3次元を与えるために、オリジナルは反転されています。

 

「対照的に、地球の大気は地球の全質量の100万分の1未満です」とカスピ氏は述べました。 「木星が、別の東西バンドで回転する、そんな広大な地域がある事実は、確かに驚きです。」

調査結果は、これらの強力なジェット気流を駆動する、性質と可能なメカニズムの理解にとって重要です。 加えて、ジェットの重力特性は、木星の核の重力信号と絡み合っています。

 

本日リリースされた別のジュノーの結果はこう提示しています、気象層の下で、惑星はほぼ剛体(rigid body)として回転します。 「これは本当に驚くべき結果で、ジュノーによる将来の測定は、気象層とその下の剛体の間の移行の仕組みを、私達が理解するのに役立ちます。」と、フランス(France)ニース(Nice)のコートダジュール大学(Université Côte d’Azur)からのジュノー共同研究者で、木星の深部内(Jupiter’s deep interior)についての論文の筆頭著者であるトリスタン・ギロ(Tristan Guillot)氏は述べました。 「ジュノーの発見は、私達の太陽系やそれを超えて、他の世界に含みを与えます。 私達の結果はこの意味を含んでいます、外側の差動回転(differentially-rotating)領域は、土星(Saturn)で少なくとも3倍深くあるべきですし、そして大規模な巨大惑星(giant planets)や褐色矮星(brown dwarf stars)ではより浅くあるべきです。」

ネイチャー誌の論文で発表された本当に印象的な結果は、ジュノーの木星の赤外線オーロラマッパー(Jovian Infrared Auroral Mapper、JIRAM)装置により撮影された木星の極の、美しい新しい画像です。 スペクトルの赤外線部分の画像化で、JIRAMは、木星の奥深くから光の出現の画像を、夜間でも昼間でも同等に捉えます。 JIRAMは、木星の雲の頂上から30〜45マイル(50〜70 km)下の気象層を調査します。

「ジュノーより前、私達は、木星の極付近がどんな天候だったのか知りませんでした。 現在では、私達は、2か月ごとに極地の天気を間近で観察できました。」と、ローマ(Rome)の宇宙天体物理学研究所(Institute for Space Astrophysics and Planetology)からのジュノー共同研究者で、この論文の筆頭執筆者であるアルベルト・アドリアーニ(Alberto Adriani)氏は述べました。 「各々の北部のサイクロンは、イタリアのナポリ(Naples)とニューヨーク市(New York City)の間の距離とほぼ同じです - そして南部のものは、それよりさらに大きいです。 とても激しい風が吹いており、場合によっては時速220マイル(時速350キロメートル)に到達するスピードです。 最後に、そして多分最も注目すべきことは、それらはとても密集していて、永続的です。 太陽系で、私達が知っているこんなものは他にありません。」

 

木星の極は、低緯度で惑星を取り囲んでいるお馴染みのオレンジと白のベルトとゾーンとは、正真正銘対照的です。 その北極は、中央サイクロンが支配的で、これは直径2,500〜2,900マイル(4,000〜4,600 km)の範囲の8つの極地付近(circumpolar)サイクロンに取り囲まれています。 木星の南極にも中央サイクロンがありますが、ただし、直径が3,500〜4,300マイル(5,600〜7,000 km)の範囲の直径をもつ5つのサイクロンに囲まれています。 両方の極で、ほとんど総ての極低気圧は、かなり密集(densely packed)しており、それらのらせん状の腕は隣接するサイクロンと接触しています。 しかしながら、サイクロンがそうであるように狭い間隔なため、個々の形態(morphologies)でサイクロンは明確に区別されています。この7か月にわたる観測は論文で詳述されています。

 

(Fig.3 Jupiter's Southern Exposure in Infrared クレジットNASA/JPL-Caltech/SwRI/ASI/INAF/JIRAM)

赤外線での木星南部の露出

このコンピューター生成された画像は、木星の南極上で観測されたサイクロンのパターンの構造を示しています。 北と同様に、木星の南極にも中央のサイクロンがありますが、直径が3,500〜4,300マイル(5,600〜7,000 km)の範囲の5つのサイクロンに囲まれています。 ほとんど総ての極サイクロン(両極)は大変に密集しており、渦巻き状の腕が隣接するサイクロンと接触します。 しかしながら、サイクロンと同じように間隔が狭いため、個別の形態で区別されており、7か月にわたる観測は、論文で詳述されています。

この画像の生成に使用されたデータは、2017年2月2日に木星を通過する4回目のジュノー通過中に、ジュノー宇宙船に搭載された木星赤外線オーロラマッパー(JIRAM)機器により収集されました。

JIRAMは、惑星から放出される熱の強度を測定することで、約5マイクロメートル(µm)の赤外線波長の画像を収集できます。 惑星からの熱は宇宙に放射され、それは発光(radiance)と呼ばれます

この画像は、元のJIRAM画像を誇張したものです。 写真に3D形状を与える目的で、誇張はは、放射輝度が雲がなく、JIRAMが大気のより深いところを見ることができる場所での輝度が最も高いという考えから始まります。 その結果、画像の他のすべての領域は元々、異なる厚さの雲によって多かれ少なかれ陰影化されます。 そうして、これらの写真を作成するために、元の画像を反転して、厚い雲に白っぽい色を、私達のここ地球の大気にある通常の雲で見られる3番目の次元を与えています。

 

「問題は、なぜそれらはマージ(merge)[統合]しないのでしょうか。」とアドリアーニ氏は述べました。 「私達はカッシーニ(Cassini)[探査機]のデータで、土星には各極に単一のサイクロン渦があることを知っています。 私達は、総てのガスジャイアント(gas giants)[ガス巨星]が平等に作られているわけではないことを認識し始めています。」

 

ジュノーは、2016年7月4日に木星の軌道に入って以来、現在までに、木星上で10回のサイエンス・パス(science passes)[科学通過]を完了し、約1億2200万マイル(2億キロメートル)を記録しています。 ジュノーの11回目のサイエンス・パスは4月1日です。

ジュノーは、2011年8月5日にフロリダ州(Florida)ケープ・カナベラル(Cape Canaveral)から打ち上げられました。 探査の任務中に、ジュノーは、惑星の雲の頂上の上空を低く飛んでいます - 約2,200マイル(3,500キロメートル)に近いものです。 これらの接近飛行の間、ジュノーは、惑星の起源、構造、気象層、および磁気圏(magnetosphere)についてさらに学ぶために、木星の覆い隠された雲の下を調査しそのオーロラを研究しています。

カリフォルニア州(California)パサデナ(Pasadena)の、NASAのジェット推進研究所(Jet Propulsion Laboratory)は、サンアントニオ(San Antonio)のサウスウエスト研究所(Southwest Research Institute)のスコット・ボルトン(Scott Bolton)主任研究員のジュノーミッションを管理しています。  ジュノーは、NASAのニュー・フロンティア計画(New Frontiers Program)の一部です。これはNASAの科学ミッション総局(Science Mission Directorate)のために、アラバマ州(Alabama)ハンツビル(Huntsville)にあるNASAのマーシャル宇宙飛行センター(Marshall Space Flight Center)で管理されています。 イタリア宇宙庁(Italian Space Agency、ASI)は、Kaバンド周波数変換器(Ka-band frequency translator、 KaT)と木星赤外線オーロラマッパー(Jovian Infrared Auroral Mapper、JIRAM)の2つの機器を提供しました。 デンバー(Denver)のロッキード・マーティン・スペース(Lockheed Martin Space)社が宇宙船を建造しました。

 

 

------ 出典 -----

www.missionjuno.swri.eduwww.nasa.govwww.jpl.nasa.govwww.lpi.usra.edusolarsystem.nasa.gov

 

----- 2018/03/07公開の記事を読んで -----

NASAのジュノーミッションにより観測された、木星の姿です。 その北極と南極には、サイクロンが密集しています。
もしも 木星が点火していたなら、第2の太陽になっていたかも知れませんから、太陽にもこうした一面があり得るのでしょうか。
この記事の続報はNASAのサイトでチェックしてみてください。
 

Juno - Mission to Jupiter | NASA

Juno (spacecraft) - Wikipedia ( ジュノー (探査機) - Wikipedia )

 

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