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新たな分析は、大手製薬会社が「科学」をどの程度コントロールしているかを明らかにします


新たな分析は、大手製薬会社が「科学」をどの程度コントロールしているかを明らかにします

(図 Pharmacy Pixabay by Roland Steinmann)  (Fig.) アーティクル・イメージ

 

概要

  • 事実:
    • 新しい分析は次のことを見つけました。ニュー・イングランド・ジャーナル・オブ・メディシン(NEJM)とジャーナル・オブ・アメリカン・メディカル・アソシエーション(JAMA)に研究が登場した著者の81%は、要求に応じて支払いを開示しませんでした。
    • 研究者達は、合計748万ドルを受け取った118人の著者を見つけました。
    • 薬剤研究の大部分は製薬会社から資金提供を受けていて、会社の従業員や、会社からの支払いを受け入れた研究者達により著述されました。
  • 考察:
    • 米国では、製薬会社が最大のロビー活動を代表しています。 彼ら[製薬会社]は、次の最大のロビー活動団体の石油やガスよりも2倍議会に寄付します。
    • 彼らが、共和党(republicans)と民主党(democrats)の両方、医療業界、学術機関を通してして行使する権力を想像してみてください。

 

「科学を信頼してください」は、過去2年間に聞いたスローガンですが、しかし、ファイザー(Pfizer)社やモデルナ(Moderna)社などの企業からのCOVID製品に関する主張に疑問を投げかける科学(a)は、無視され、検閲され、嘲笑されました。 これは科学の正反対ですし、そして、科学の学生の誰もがこれを知っています、科学は決して「確立」されず、常に疑わしいものです。

名声のあるブリティシュ・メディカル・ジャーナル(British Medical Journal、BMJ)でさえ、ファイザー社のCOVIDワクチン臨床試験中に重大な詐欺を発見した話を共有してくれたことに対して、検閲とフェイスブック(Facebook)の「ファクト・チェック」の対象となりました。 BMJはこれに応え(b)、これらのファクト・チェッカーを無能と呼びました。

透明性のある世界では、この種のニュースや情報はビッグメディアの最前部に立つでしょうが、しかし、そうではありません。 結果として、深く掘り下げて「独自の調査」を行っていない方達は、何が起こっているのかについての認識を変えるかもしれない一部のとても重要な情報(c)に気づいていません。

 

(c) Pfizer Vax Data: Making Sense of Side Effects & Adverse Events

(11:40) 2022/03/11

 

新たな分析

医療分野での利益相反に関する懸念は目新しいものではありませんが、問題はかなり極端になっています。 たとえば、昨年1月に発行されたプレプリント形式の最近の分析(d)では、次のことが分かりました。ニュー・イングランド・ジャーナル・オブ・メディシン(New England Journal of Medicine、NEJM)とジャーナル・オブ・ジ・アメリカン・メディカル・アソシエーション(Journal of the American Medical Association、JAMA) - 最も影響力のある2つの医学ジャーナル - に、研究が掲載された著者の81%は、彼らが受け取った支払いを開示できませんでした。

分析は、2017年に両方のジャーナルに掲載された31の研究記事を調べました。 研究者達は、合計748万ドルを受け取った118人の著者達を見つけました。 製薬会社が医師達や他の医療提供者達への支払いを報告しなければならない米国政府のデータベースのOpenPaymentsが、このデータを収集するために使用されました。 最大の支払いを受け取った23人の研究者達は、合計で632万ドルを受け取りました。

次のことに注意することが重要です。多くの人が、これらの企業は善意を装って運営している犯罪組織に似たものと見なしています。 例えば。 ファイザー社は、刑事上の有罪判決、民事罰、陪審員賞で数十億の評価をされています(e)。 彼らは、合計の刑罰数(penalties)と刑罰の罰金(criminal fines)の両方の記録を作りました。

2012年、ニュー・イングランド・ジャーナル・オブ・メディシン(NEJM)は新薬の独自の研究に関する73の記事を発表しました。これは、2000年以降にFDA(Food and Drug Administration、米国食品医薬品局)により承認された薬を表しています。 これが発見(f)されました、それら[記事]の82パーセントは、製品を販売する製薬会社から資金提供を受けていましたし、そして、それら[記事]の68パーセントはその会社の従業員の著者達でした。 最後に、これが発見されました、50パーセントは製薬会社からお金を受け取った(g)主導研究者達でした。

 

ハーバード大学(Harvard)医学(Medicine)教授で、NEJMの元編集長のアーノルド・シーモア・レルマン(Arnold Seymour Relman、1923-2014)氏は、もう1人の長年のNEJM編集長のマーシャ・エンジェル(Marcia Angell)氏と共著で、製薬業界が医学と政治をどのように歪めているのかについて論文を執筆しました。その中で、彼は次のように述べています、

「医療専門家は、医療の実践に関してだけでなく、教育と研究に関しても製薬業界に買収されています。 この国の学術機関は、自らが製薬業界の有償代理人(agents)になることを許可しています。 私は、それが恥ずべきことだと思います。」

- アーノルド・シーモア・レルマン(1923-2014)、ハーバード大学医学教授、NEJM元編集長

 

(図 Pharmacy Pixabay by Roland Steinmann)

 

不安にすることはこのことです、この種の活動は多くの人命を犠牲しました。 例えばニュー・イングランド・ジャーナル・オブ・メディシン(NEJM)の、グラクソスミスクライン(GlaxoSmithKline、GSK)社による2006年の報告(h)では、次のように結論づけています。アバンディア(Avandia)は糖尿病(diabetes)を治療するための優れた薬でした。 当時、ローソン・マッカートニー(Lawson Macartney)社の上級副社長はニュースリリースで次のように述べて(i)いました;

「現在、私達は大規模な国際研究から次の明確な証拠を持っています。(アバンディア)の最初の使用は、標準的な治療法よりも効果的です。」

 

薬を承認するために使用された裁判はグラクソスミスクライン社により資金提供されていましたし、11人の著者達の各人が会社からお金を受け取っていました。 4人は従業員で、会社の株式を保有していました。 他の7人は、会社から助成金またはコンサルタント料を受け取った学者達でした。

この薬は約80,000件の心臓発作と死亡を引き起こすと推定されていました。それは、承認時に安全性のシグナル[警報]が完全に明確であるはずでした。 これらの企業の歴史を考えると、このリスクはおそらく無視されたものでしたが、しかし私達は自信を持って言えません。

2007年のニュー・イングランド・ジャーナル・オブ・メディシン(NEJM)(j)の研究で、アバンディア(Avandia)を、心臓発作のリスクの43%増加、心臓病による死亡のリスクの64%増加に関連付けました。 アバンディアは依然としてFDAの承認を受けており、米国で入手可能です。

 

アリゾナ大学法学部(University of Arizona College of Law)で実施された2013年の調査(k)によれば、製薬会社が研究に直接資金を提供していないときでさえ、会社の株主達、コンサルタント達、取締役達と役員達は、それら[資金提供]の実施にほとんど常時携わっています。

さらに、大手製薬企業(Big Pharma)は、市民がこの種のことに「通じている」ことを知っており、これが、彼らが、会社の代表者の代わりに、「科学」を書くために医者を雇う理由です。 それは「ゴーストライター(ghostwriting)」と呼ばれています。 この慣行は、50年代と60年代に(l)、タバコ企業の幹部が自分達の製品が癌を引き起こしていると主張する科学者達や医師達を遮断しようとしていたときに、始まりました。 事実として、これら総て行われている間、医師達はタバコが実際に有害であることを知らずに、タバコを処方したものでした。 証拠はこう提示しています、企業は既にこの害について知っていました。

 

(Fig.1) More Doctors Smoke CAMELS than any other cigarette!

 

現在、ニュー・イングランド・ジャーナル・オブ・メディシン(NEJM)に掲載された記事の10分の1(m)以上が、ゴーストライターによって共著されています。

ディフェンダー(The Defender)誌のレベッカ・ストロング(Rebecca Strong)氏は、次のように説明(n)しています。

好例:90年代後半から2000年代初頭に、メルク(Merck)社は関節炎(arthritis)治療薬バイオックス(Vioxx)の利点を強調[宣伝]するために73人のゴーストライターが書いた記事(m)にお金を払いました。 後にこれが明らかになりました、メルク社は、試験参加者が経験した総ての心臓発作を報告できませんでした(o)

事実として、NEJMで発表された研究(p)はこれを明らかにしました、推定160,000人のアメリカ人がバイオックス(Vioxx)の服用により心臓発作や脳卒中を経験しました。

その研究は、FDAの薬物安全局の副所長のデビッド・グラハム(David Graham)博士により行われ、当然のことながら、薬物は安全ではないと結論付けました。 しかし、FDAの新薬局(Office of New Drugs)は、最初にバイオックス(Vioxx)を承認するだけでなく、それを規制する責任を負いましたが、彼の発見を隠そうとしました。 「私は、私の結論と推奨事項を変更するように圧力をかけられました、そして、基本的にこう脅かしました、もしも私がそれらを変更しなかったのならば、私は会議で論文を発表することを許可されません。」と、バイオックス(Vioxx)に関する彼の2004年の米国上院での証言(p)で、彼は書きました。 「ある医薬品安全管理者はこう推奨しました、私は、会議でポスター発表することを締め出されるべきです。」

最終的に、FDAはバイオックス(Vioxx)について公衆衛生勧告(q)を発行しました、そしてメルク社はこの製品を撤回しました。 しかし、その波及には少し遅かった - 心臓発作に苦しんでいたバイオックス(Vioxx)服用者のうち38,000人(o)が既に亡くなっていました。

 

2010年、ファイザー社は、ニューロンチン(Neurontin)という名前で販売されていたガバペンチン(gabapentin)と呼ばれる抗てんかん(anti-seizure)薬を不正で詐欺的に販売したことに対して、1億4,200万米ドルの損害賠償を支払うよう命じられ(r)ました。 ファイザー社は、この薬を「不正で詐欺的に」販売しているのを見つけられましたし、「未承認使用のために宣伝しました。」 次のことが発見されました。この薬は、痛み、偏頭痛(migraines)、双極性障害[躁うつ症](bipolar disorder)、これらの症状の治療には効果がなく、実際には有毒であるにもかかわらず、これらの治療薬として製薬会社により宣伝されました。

 

2012年、グラクソスミスクライン(GSK)社は、医師達への賄賂と適応外使用(off-label)への薬物の違法な宣伝に対して30億ドルの罰金(s)を支払いました。 グラクソスミスクライン(GSK)は次のことを示した臨床試験結果を差し控えました。それは、その抗うつ薬パキシル(Paxil)が、青少年や小児に効かないだけでなく、もっと驚くことに、それはこのグループの自殺念慮の見込みを増やし(t)得ます。

 

コペンハーゲン(Copenhagen)のノルディック・コクラン・センター(Nordic Cochrane Center)の研究者達により、ブリティッシュ・メディカル・ジャーナル(BMJ)に発表された研究(u)は、次のこと示しました。製薬会社は、彼らの治験結果に関する総ての情報を開示していませんでした。 研究者達は、選択的セロトニン再取り込み阻害薬(selective serotonin reuptake inhibitors、SSRI)と、セロトニンとノルエピネフリン再取り込み阻害薬(serotonin and norepinephrine reuptake inhibitors、SNRI)の、70の異なる二重盲検プラセボ対照試験の文書を調べ、次のことを発見しました。臨床試験報告で、深刻な危害の全範囲は報告されませんでした。

 

アメリカの製薬大手のギリアド(Gilead)社は、死亡や重篤な副作用の症例にもかかわらず会社の薬を宣伝し処方するために、米国の医師達に少なくとも1億7800万ドル、病院に8100万ドルを支払いました。 2013年から2019年までのギリアド社の支払い(v)に関するデータによれば、製薬会社は2019年だけで21,833人もの医師達に資金を提供しました。

アームズ・ウオッチ(Arms Watch)誌は次のことを明らかに(w)していました。リークした文章(x)によれば、ジョージア州(Georgia)で、ギリアド社の33億ドルのC型肝炎(Hepatitis C)撲滅プロジェクトに登録した少なくとも249人の患者達が亡くなりました。 一部の患者達の死因は、ギリアド社の機密報告書で「不明」として報告されています。 プログラムに登録した他の患者達は、重篤な有害事象のために治療を中止しました。 彼らの一部の人達は亡くなりました。

 

これらのタイプの申し立ては今日まで続いており、本当にメディアの注目を得ることは決してありません。 私達が以下のビデオを検討するとき、大手製薬会社(Big Pharma)はメディアにどの程度の影響を持っていますか。

 

Video  (0:55) メディアのスポンサー

 

この記事の活動の種類は次の説明です。大手製薬企業の権力が、強力で貪欲な企業から人々を保護するはずの私達の「民主主義」の制度を、どのように秘かに傷つけたのかを説明しています。 製薬会社は、政治家達、議員達、医師達、科学者達を購入することができました。

米国では、製薬会社が最大のロビー活動を代表しています。 彼らは、次点の最大のロビー活動団体の石油会社やガス会社よりも2倍議会に寄付します。 彼らが共和党員(republicans)と民主党員(democrats)の両方に対して行使する権力を、ただ想像してください。 それは、あたかも彼ら[製薬会社]が規制当局を所有し、彼ら[規制当局]を捕え、権力、支配、利益のために、ソックパペット(sock puppets)[自作自演の多数派偽装工作/言いなりのサクラ]として使用しているようです。 さらに、彼らは言論界(the press)を危うくしましたし、そして、本当の科学を公開している出版物を検閲し破壊します。

 

長年にわたり、米国疾病対策センター(Centers for Disease Control and Prevention、CDC)などの保健機関の従業員もこれを強調してきました。 例えば、2016年には12人以上の上級科学者達のグループは、次の倫理的苦情の申し立てを提出しました。連邦政府機関(federal agency)は、企業と政治的利益の影響を受けています。 彼らは自分たちをスパイダー(SPIDER)と呼びました。研究で誠実さ、勤勉さ、倫理を維持する科学者(Scientists Preserving Integrity, Diligence and Ethics in Research、SPIDER)の意味です。

彼らはこう述べました(y)

「私達はCDCの科学者達のグループで、私達の機関の倫理の現状についてとても心配しています。 どうやら、私達の任務は、外部の関係者達と不正な利益による影響を受け、形作られています。 私達の任務と私達の機関に対する議会の意図は、私達の指導者達の一部の人達により回避されているようです。 私達が最も懸念しているのはこのことです、それは当たり前になりつつあり、稀な例外ではありません。 CDCの一部の上級管理職達は、これらの振る舞いを明確に気づいていますし、容認しています。 他の人はそれを理解し、裏返ります。 一部のスタッフはほのめかされ、彼らが今では正しくない物事をするように圧力をかけています。

私達には、この  容認できない振る舞い目撃する政府機関全体からの代表者がいます。 それは総てのレベル[組織階層]で、そして総ての私達のそれぞれのユニット[部署]で起こります。 これらの疑わしい非倫理的な慣行は、公衆衛生の信頼できるリーダーとしての、私達の信頼と評判を蝕む恐れがあります。」

 

何年にもわたってなされてきた啓示で、何故、これらの企業内の誰もが、この犯罪活動に対する結果に立ち向かわなかったのでしょうか。 バンクーバー経済学スクール(Vancouver School of Economics)[ブリティシュ・コロンビア大学(The University of British Columbia)]の、名誉教授)のロバート・G・ エバンス(Robert G. Evans)博士は次のように説明(z)しています。

「企業は、刑事罰と民事罰の両方を単なる事業費として扱い、違法行為から稼いだ収益と比較検討するかも知れません。 しかし、人間は刑務所に入れることができますが、それは全く別の問題です。 考えられるところでは、企業幹部達に犯罪行為の有罪判決を下し、収監刑を宣告することは、ファイザー社により実証された「累犯者(repeat offender)」の振る舞いへの、より効果的な抑止になるかも知れません。」

- ロバート・G・エバンス博士、バンクーバー経済学スクールの名誉教授

 

 

----- 出典 -----

thepulse.one(同様な記事)

collective-spark.xyzstillnessinthestorm.comwww.renegadetribune.com(関連記事)

www.the-scientist.com 

 

----- 2022/03/10公開の記事を読んで ----

原文のハンバーリンクが上手く設定されていなかったリンク(d)について、多分これであろう論文へのリンクを追記しました。

興味深いのは、医学や薬学の研究発表の1つとしての論文誌に、プレプリントであろうが査読済であろうが、本編のような研究/調査が掲載されていることです。そんなにもポピュラーなことなのでしょうか...

 

SARS-CoV-2の起源のことは別として、終わりに向かっているようなパンデミックを振り返れば、製薬会社がこれを利用し、便乗したのではなかろうかと思えます。

そして何が起こったのかは、ご存知の通りです。

 

本編を読んで、こんな作品が共有されたときがあったことを思い出しました。そうではないと思いたいのですが、御用学者という言葉もあるくらいですから、呆れるような事もあるのかも知れません。

(図 Scientist Then & Now 作者Unknown) 以前の科学:私は、現象に対しての説明を見つける必要があります、私達の周りの世界を本当に理解する目的です。 今日の科学:私は、私の物語に適合する結果を見つける必要があります、それで私は、私の大手製薬会社のスポンサーから支払いを得られます。

 

----- パズルのピース -----

zzak.hatenablog.jpzzak.hatenablog.jpzzak.hatenablog.jpzzak.hatenablog.jp