岩石からなる、地球サイズの太陽系外惑星には大気がありません
岩石からなる、地球サイズの太陽系外惑星には大気がありません
(図 LHS 3844 b クレジットNASA/JPL-Caltech/T. Pyle)
(図 A Glimpse of a Rocky Exoplanet's Surface クレジットJPL-Caltech) 大気のないことが判明した惑星、LHS 3844bの表面のアーティストの表現
天文学者は、地球サイズの太陽系外惑星には大気がないことを発見しました。これは、次の理論を支持しています。小さな恒星の周りの惑星には、通常大気がありません。
最近、天文学者達のチームは、岩の多い太陽系外惑星LHS 3844bの表面を観測することができました。彼らは大気の兆候を探していましたが、しかし何も見つかりませんでした。この惑星は露出した岩なことがわかりました。
天文学者が、次のことを突き止められたのはこれが初めてです。私達の太陽系の外にある地球サイズの地球型惑星に、大気があるか否か。
NASAのトランジット太陽系外惑星探査衛星(Transiting Exoplanet Survey Satellite、TESS) は、2018年にこの惑星を発見しました。地球の1.3倍の大きさです。
LHS 3844bは、小型で冷めたM矮星(M-dwarf)の周りを11時間ごとに周回しています。これにより、既知の最速な軌道周回の太陽系外惑星の1つになります。この恒星系は、太陽系のほぼ50光年先にあります。
Most Earth-Like Planet Ever Found or Not
(2:29) 2019/06/17
【ビデオの説明】
NASAのケプラー宇宙望遠鏡は何百もの新しい惑星を発見しましたが、「地球のよう」だ考えられるのはほんの一握りです。 天文学者達は、そのうちの1つがケプラー438bだと考えました。これは、こと座星系(Lyra constellation)で私達から475光年離れた場所にあります。 しかし、それは地球のようですか ?
その惑星は、水星に似ています。水星は大気のない露出した岩です。 たとえ大気が過去にあったとしても、恒星の放射はおそらく惑星形成の初期にそれを吹き飛ばしました。
「私達は基本的に、周囲にガスのない熱い惑星を発見しました」と、マサチューセッツ工科大学(MIT)の地球、大気、および惑星科学部門のポスドクの、共著者のダニエル・コール(Daniel Koll)氏は述べます。「これらのM矮星の周りの惑星の大気について、私達が詳細を知ったのは今回が初めてです。M矮星は最も一般的なタイプの星で、LHS 3844bを銀河で最も一般的なタイプの岩石惑星にします。」
大気の欠如は、次のことを示しています。私達が知っているように、生命が生き残るチャンスがありません。その理由は、恒星から来る放射線が惑星の表面の総ての生物を焼き払うからです。
「この特定の惑星が生命にとって住みやすいと、私達は決して考えていませんでした」と、ハーバード大学天体物理学センター(Harvard Center for Astrophysics)の研究者の、主著者のローラ・クライドバーグ(Laura Kreidberg)氏は述べます。「それは、小さな恒星の周りの惑星、このカテゴリー全体として大気があるか否かが、より問題です。そして私達のテクニックは、大気が存在するか否かを評価するための堅牢な方法です。」
放射線の検出
この発見のために、チームは、NASAのスピッツァー宇宙望遠鏡(NASA’s Spitzer Space Telescope)をその惑星に向けて100時間訓練しました。こうして、惑星の合計約10の軌道を捕らえます。望遠鏡は、惑星の表面から与えられる赤外線放射または熱を測定しました。
「これは木星に近いサイズの惑星で多く行われていますが、しかし、この測定がM矮星星の周りの地球型惑星に対して行われたのは、これが初めてです」と、コール氏は述べます。
チームはまた、惑星が潮汐的にロックされていることを発見しました。つまり、惑星の片側は常に主星を向いています。「昼間の側(dayside)」は摂氏770° (華氏1,410°) ですが、夜間の側は-273°C (-460°F) まで下がります。
「この惑星の温度の差異は、可能な限り大きくなっています」と、マサチューセッツ州(Massachusetts)ケンブリッジ(Cambridge)にあるハーバード・アンド・スミソニアン天体物理学センター(Harvard and Smithsonian Center for Astrophysics)の研究者で、新しい研究の筆頭著者のローラ・クライドバーグ氏は声明で述べました。「それは、大気のない露出した岩の、私達のモデルと美しくマッチします。」
LHS 3844bは、マリア(maria)と呼ばれる月の表面の暗い「海」で発見されたのと同じ冷却された火山性物質で覆われている可能性があります。
今、チームは、他の岩石からなる太陽系外惑星に、彼らのテクニックを適用したいと考えています。彼らはまた、星から遠い惑星を含み、大気を保持する可能性が高くなります。また、それらには恒星からさらに遠い惑星も含まれ、大気を維持している可能性が高くなります。
「大気は生命を守るのに役立ち、生命を紫外線から遮蔽します」とクライドバーグ氏は述べます。「少し暑すぎても寒すぎても、惑星の大気を検出できて、私は興奮します。何故ならば、一部の地球型の太陽系外惑星は大気を持つことができて、そしておそらく何処かに、適切な温度で、液体の水を保つことができるものがあります。」
----- 出典 -----
「ROCKY, EARTH-SIZED EXOPLANET HAS NO ATMOSPHERE」は、掲載終了しております。
(同様な記事)
www.zooniverse.orgnews.mit.edunews.harvard.edu
----- 参考 -----
PIA 23130 ビデオ (0:30)
https://photojournal.jpl.nasa.gov/archive/PIA23130.mp4
----- 2019/08/20公開の記事を読んで -----
惑星の探索、それは地球外の知的生命体の探索をするためなのか、将来的なコロニー候補地や移住先を探すためのものなのか。いずれにせよ、ここ最近は観測精度や解析手段が発展し、奇想天外な宇宙の一面を知ることになり、大変に興味深いです。
単純には地球サイズだったら、大気を保持できる重力があると考えてしまいますが、その他にもさまざまな条件があることが分かります。
----- パズルのピース -----
zzak.hatenablog.jpzzak.hatenablog.jpzzak.hatenablog.jp