若い星の周りで直接生長している駆け出しの惑星のペア
若い星の周りで直接生長している駆け出しの惑星のペア
(図 PDS 70 ウィキメディア経由CC4.0 クレジット ESO/A. Müller et al.)
天文学者達は、2つの外惑星(exoplanets)を直接イメージしました。それは、若い星を囲む惑星形成ディスク[円盤]の中で、重力的に広いギャップ(gap)[隙間]を切り開いています。一方で、1ダース以上の太陽系外惑星が直接画像化されていますが、これは撮影された2番目の多惑星系です。(最初のものは、恒星HR 8799を周回する4つの惑星系でした) しかしHR 8799とは異なって、この恒星系の惑星は、ディスクから物質を降着させることで、まだ成長しています。
「これは、ディスク・ギャップを刻む2つの惑星系の最初の明確な検出です。」と、メリーランド州(Maryland)ボルチモア(Baltimore)にある宇宙望遠鏡科学研究所(Space Telescope Science Institute)のジュリアン・ジラール(Julien Girard)氏は述べています。
PDS 70として知られているホスト恒星は、地球から約370光年に位置します。600万年歳の若い星は、私達の太陽よりもやや小さく、それほど重くはなくて、そしてまだガスを付着させています。それはガスと塵のディスクに取り囲まれ、約19 憶マイルから38億マイル(約32 – 62億キロメートル)に及ぶ大きなギャップを持っています。
最も内側の惑星のPDS 70 bは、ディスク・ギャップ中にあり、私達の太陽系の天王星(Uranus)の軌道に似て、その恒星から約20億マイルの距離です。チームは、木星(Jupiter)の4倍から17倍の重さがあると見積もっています。それは2018年に最初に検出されました。
新しく発見された惑星PDS 70 cは、ディスク・ギャップの外縁近くに位置し、太陽(Sun)からの海王星(Neptune)の距離同様に、恒星から約33億マイルのところにあります。それは惑星bよりも小さく、木星の1から10倍の重さがあります。 2つの惑星軌道は2対1の共鳴に近く、それは、外側の惑星が1公転する時間に、内側の惑星は2公転することを意味します。
これら二つの世界の発見は重要です。何故ならば、次の直接の証拠を提供するかです。惑星を形成することは、観測可能なギャップを作るために、原始惑星系円盤から、十分な物質を一掃することができます。
(Fig.1) PDS 70 PDS 70 は、直接画像化される第2の多惑星系です。光学補正とデータ処理の組み合わせにより、天文学者達は、中央の星(白い星印が付いている)からの光を打ち消して、2つの公転する太陽系外の惑星を明らかにすることができました。PDS 70 b (左下)の重さは木星の4〜17倍、一方で、PDS 70 c (右上)の重さは1〜10倍です
「ALMA、ハッブル(Hubble)、または光学補正を備えた大型の地上光学望遠鏡のような設備では、リングとギャップが至る所らあるディスクが見えます。 未解決の問題は、そこに惑星はありますか。この場合、答えはイエスです」と、ジラール氏は説明しました。
チームは、ヨーロッパ南部天文台(European Southern Observatory)の超大型望遠鏡(VLT、Very Large Telescope)のMUSEスペクトログラフ(spectrograph)を使い、地上からPDS 70 cを検出しました。彼らの新しい技術は、8メートル望遠鏡により提供される高い空間分解能の組み合わせに依存していました。それは、4つのレーザーと装置の中程度のスペクトル分解能を装備したもので、ガスの降着の兆候となる水素によって発せられた光に「固定」することを可能にします。
「この新しい観察モードは、より高い空間分解能で銀河や星団を研究するために、開発されました。しかし、この新しいモードはまた、太陽系外の惑星の画像化にも適しています。これは、MUSE機器の元々の科学的な推進力ではありませんでした。」と、論文の主執筆者の、ライデン(Leiden)天文台のセバスチャン・ハファート(Sebastiaan Haffert)氏は述べました。
「私達は、とても驚きました。それは2番目の惑星を見つけたときです」とハファート氏は付け加えました。
将来的は、NASAのジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡(James Webb Space Telescope)は、この星系と他の惑星の苗床を研究することができるかもしれません。それは、水素からのさまざまな波長の光を絞り込むために、同様のスペクトル技術[分光法]を使います。これにより、科学者達はディスク内のガスの温度と密度の測定をできようになり、私達がガス巨大惑星の成長についての私達の理解に役立つでしょう。この星系はまた、WFIRSTミッションの対象になる可能性があります。これは、高性能コロナグラフ(coronagraph)技術の実演を行います。恒星の光を遮り、周囲の円盤や随伴する惑星からのより弱い光を明らかにする可能性があります。
----- 出典 -----
「A pair of fledgling planets directly seen growing around a young star」は、掲載終了しております。
(同様な記事)
phys.orgwww.space.comastronomy.comexoplanets.nasa.gov
----- 2019/0606公開の記事を読んで -----
天体観測と言えば恒星のことでしたが、今や惑星の観測ができるようになっています。技術は日進月歩です。
将来の惑星観測で、文明が活動している惑星を確認できる日が来るのかもしれません。
----- パズルのピース -----
zzak.hatenablog.jpzzak.hatenablog.jpzzak.hatenablog.jpzzak.hatenablog.jpzzak.hatenablog.jp