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天文学者達は、夜は鉄が雨になるほど熱い悪夢のような太陽系外惑星を観察


天文学者達は、夜は鉄が雨になるほど熱い悪夢のような太陽系外惑星を観察

(図 Eso2005a ウィキメディア経由CC4.0 クレジットESO/M. Kornmesser)

 

地球から640光年の、うお座(constellation of Pisces)には、地獄の惑星があります。

ガスの巨星WASP-76bは、わずか1.8日の速くて危険極まる(breakneck)軌道で主星を公転しています。これらの1日は厳しく、摂氏2,400度(華氏4,350度)を超える温度 - 鉄を蒸発させるのに十分なほど高温です。

しかし、新しい研究によれば、1日で夜になると、温度が十分に冷えて、鉄の蒸気が凝縮して焦げた液体になり、その後、惑星の内部に向かって雨となって降ります。

 

(追加の図 Artist’s impression of a hot Jupiter exoplanet in the star cluster Messier 67 ウィキメディア経由CC4.0 クレジットESO/L. Calçada)

 

スイス(Switzerland)のジュネーブ大学(University of Geneva)の宇宙物理学者の、デービッド・エーレンライヒ(David Ehrenreich)氏(a)は、「この惑星は夕方に雨が降ると言えます、鉄が降ることを除けば」と述べました。

その発見が2016年に発表(c)されたWASP-76b(b)は、ホット・ジュピター(hot Jupiter)(c)として知られる惑星のタイプです。木星の質量よりもわずかに小さいですが、しかし、よりふくれてふわつとし、木星のサイズの約1.8倍です。

 

(Fig.1) コミック本風のイラスト、WASP-76bの夕方の境界線を示しています

 

また、主星からわずか500万キロメートルで、主星は私達の太陽よりも大きくて熱いです - 太陽の質量の1.5倍、大きさで1.8倍、温度は約6,329ケルビン(太陽は5,778ケルビン(e) )です。

したがって、太陽系外惑星は、太陽からの地球の放射よりも何千倍も大きい焼け付くような放射線にさらされるだけでなく、潮汐ロック(tidally locked)(f)されています。これは、公転する天体の片側が常に公転している主星に面している場合で - 近くの例では、月は地球と潮汐ロックされています。

WASP-76bの場合、これは片側が永久の昼間で、もう一方が永久の夜なことを意味し、2つの側の間に大きな温度差があります。昼側はおおよそ摂氏2,400度(華氏4,350度)、夜はおおよそ摂氏1,500度(華氏2,730度)です。

これは今までに発見された中で最も熱い太陽系外惑星ではありませんが - そのクラウン[王冠]は、全くもって熱い太陽系外惑星のKELT-9bが着用しており、文字通り蒸発(g)しています - しかし、それは間違いなく規模の限界です。

モデル化(Modelling)はこう提示しています、WASP-76bのような惑星では、両側の極端な温度差が強風を発生させるはずです。これと惑星の自転は、鉄の蒸気を惑星の周りに押し出すべきで、昼側の原子が夜側の分子に再結合しなければなりません。

しかしながら、この期待を裏付ける証拠 - たとえば、化学勾配 - は得られていません。そのため、エーレンライヒ氏と彼のチームは、さらに詳しく調べることにしました。具体的には、彼らは、これらが非対称(asymmetrical)の化学を示すのかを理解するために、ターミネーター(terminators)[終わらせるもの] - 夜と昼間の境界線 - を研究したいと考えていました。これもまた、金属雨説(metal rain theory)を裏付けるものです。

 

(追加の図 WASP-76 b (2020) ウィキメディア経由CC4.0 クレジットTrurle)

 

惑星の端の周りの光を分析するために、彼らは高分散分光法(high-dispersion spectroscopy)を使用し、元素が光の一部を遮っていたことを示すスペクトル(spectrum)の痕跡を探しました。そして、彼らはそれを見つけました。夕方のターミネーター - 昼間が夜に変わる場所 - で、彼らは鉄蒸気(iron vapour)の強い痕跡を見つけました。

朝のターミネーター - 夜が昼間になる場所 - で、この痕跡はありませんでした。これは鉄の雨を支持するかなり強力な証拠です、何故ならば、液体鉄(liquid iron)は最も安定した高温の鉄含有凝縮物(iron-bearing condensate)だからです。

「観測はこれを示します、鉄蒸気は、WASP-76bの熱い昼間側の大気に豊富にあります」と、スペイン(Spain)の宇宙生物学センター(Centre for Astrobiology)の天体物理学者マリア・ロサ・サパテロ・オソリオ(María Rosa Zapatero Osorio)氏(a)は述べました。

「この鉄の破片は、惑星の自転と大気の風のために夜側に注入されます。そこで、鉄は遥かに涼しい環境に遭遇し、凝縮し、雨が降ります。」

その後、鉄は上層の大気から雨として降ったために、朝のターミネーターで蒸気として再び現れることはありません。

チームの観測結果が返されたので、金属雨の兆候を探すために、他のホット・ジュピターを同じように観測することが可能かもしれません。そしてもちろん、誰もが、ハイテクのジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡(James Webb Space Telescope)がさまざまな太陽系外惑星の大気をじっくりと見られる能力に、大きな期待を持っています。来年に稼働する予定です。

天文学者は既に、鋼玉石(corundum)の雲(h) - ルビー(rubies)とサファイア(sapphires)の構成要素 - と、別の鉄の雲(i)を持つ、太陽系外惑星を特定しています。私達は、宇宙で他の奇妙な天気がそこにあるのを見るのが待ちきれません。

研究はネイチャー(Nature)誌(j)に掲載されました。

 

 

----- 出典 -----

www.sciencealert.comastronomy.comwww.thespaceacademy.orgbigthink.com

 

----- 2020/03/11公開の記事を読んで -----

宇宙に出ると、地球の常識では想像できないことがあります。科学者達は、よくそうしたことに気付くものです。想像力が豊かなのでしょう。

鉄の色のイメージは酸化した赤系なのですが、2400℃となると分子でなく、単体の鉄イオンとして惑星の外観的な色合いに関係してくるのでしょう。参考に過ぎませんが、Fe2+ は淡緑色です。

そして夕方になると鉄の雨が降る、シトシトとは限らず、暴風雨かも知れませんねぇ。おーい って感じです (^^; 仮に探査に行けて、観測用のプローブを投入したとしても、観測機器は溶けてしまうでしょう。なので、惑星の中の環境は想像するしかないです。

 

想像力ついでにもっと言えば、ホット・ジュピターにも私達の常識では想像できないような生命が暮らして居るかも知れません... 液体金属のシェイプシフターとか... ?

 

----- パズルのピース -----

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