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フィラデルフィア実験:タイムトラベルをした目に見えない船


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フィラデルフィア実験:タイムトラベルをした目に見えない船、アインシュタインのなせるところでしょうか

(図 USS Eldridge (DE-173) underway ウィキメディア経由パブリックドメイン)

(Fig.) アーティクル・イメージ

 

1943年の夏。アメリカの戦艦は、アインシュタインによって設計された技術をテストしまし、見えなくなってテレポート(teleport)することに成功しました。少なくとも、それは一部の陰謀論者が言うことです。これはUSS(米国船)エルドリッジ(Elridge)の本当の話で、「タイムトラベル」した船です (フィラデルフィア実験(Philadelphia Experiment) )。

 

(Fig.1) フィラデルフィア実験風景

 

レインボー・プロジェクトの伝説

フィラデルフィア実験として広く知られていることは、米海軍のプロジェクト・レインボー(Project Rainbow)と呼ばれる米海軍の、疑惑のかかった暗い計画についてほのめかしてます。都市伝説によれば、軍は電磁界の発生器をテストしており、それを使って、彼らは、アルバート・アインシュタイン(Albert Einstein)氏が提案した統一場理論への、実用的なアプリケーション[用途]を探そうとしました。一言で言うならば、彼らは不可視性を達成しようとしました。

 

(Fig.2) 艦船と港湾の風景

 

何を設置しているのかわからない個人の技術者は、2つの強力な発電機、船体の周りの数十メートルの電気ケーブル、そしてその他の複雑な電子装置を、93メートルの長さの戦艦であるエルドリッジ号に提供しました。1943年7月22日に、最初の想定実験が行われました。発電機は、戦場が緑色の霧に囲まれて、数分間視界から消える電磁場を達成しました。一部の船員は、テストによって引き起こされた強い吐き気を訴えました。

装置は再調整され、そして2回目のテストは10月28日に行われました。今回は、船全体が完全に消え、600キロメートル離れたノーフォーク(Norfolk)の海軍基地に、15分間現れました。その間、それは目撃されました。その後、それは青い稲妻の真ん中で再び姿を消し、フィラデルフィアに戻ります。

 

海軍の公式声明

(Fig.3) 駆逐艦

 

都市伝説によれば、この2回目の実験の結果は、乗組員にとって極めて壊滅的だったので、海軍はプロジェクトを中止することを決めました。ほとんどの船員は統合失調症を発症し、一部の者は完全に正気を失いました。肉体の形をとって現れると、多くの人が重傷を負いました。そしてより幸運ではなく、他の人達は船の船体と恐ろしい融合をしました。実験から何日か後に消え、二度と現れなかった人もいます。

これは、大雑把に言って、陰謀論者、UFO論者、そして一部のサイエンスフィクション映画により恒久化される激しい歴史です。海軍は、フィラデルフィア実験の存在を常に否定してきました。2000年11月に発表された声明では、海軍の海軍研究局(ONR、Office of Naval Research)は、アインシュタイン氏の関与と同様に、不可視性またはテレポーテーション・プログラムの存在を完全に否定しました。海軍の歴史と遺産によって出版されたメモの要約では、それは言われています:

海軍研究局(Office of Naval Research、ONR)は、船とその乗組員を見えなくするための力場(forcefields)の使用は、既知の物理法則には準拠していないことを、既に説明しました。ONRはまた、アルバート・アインシュタイン博士の統一場の理論は、決して完成されていないと主張しています。

1943年から1944年の間に、アインシュタイン氏は爆発物や爆発の理論調査で、海軍の非常勤のコンサルタントとして働いていました。アインシュタイン氏が不可視性かまたはテレポーテーションに関連した何かに取り組んだという証拠はありません。

確かに、統一場理論は、アインシュタイン氏が、重力場と電磁場を単一の統一理論で説明しようとしたときに考案された概念です。彼は決して成功しませんでしたが、物理学の法則が良い話を覆すことを、多くの人は気にしません。

 

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(図 Water Pixabay) フィラデルフィア

 

カルロス・アジェンデ氏の手紙

(Fig.4) 空間の歪みのイメージ図

 

フィラデルフィア実験は、どのように明るみに出たのでしょうか。答えは、カルロス・ミゲル・アジェンデ(Carlos Miguel Allende)の偽名の下にカール・メレディス・アレン(Carl Meredith Allen)氏が送った一連の手紙を通してです。おそらく、アレン氏は商人の船員で、米国船エルドリッジ号が消えたのを、彼の船SSアンドリュー・フールセト(Andrew Furuseth)から見ました。

やや奇妙な散文と豊富なつづりの間違いで、アレン氏は、作家でUFO論者のモリス・ジェサップ(Morris Jessup)氏と供に、テレポーテーションの想定される実験について、手紙との関係を維持しながら説明しました。船員は彼が言っていたことの信頼できる証拠を決して提供しませんでしたが、ジェサップ氏は物語に魅了され、そしてUFOの場合(The Case for the UFO)という題名の本に含めました。ジェサップ氏は、この本の中程度の成功を繰り返すことができませんでした。そして4年後に自殺しました。彼の死を取り巻く状況は、次の説を更に後押ししました。実験は存在し、そして政府はそれを覆い隠そうとしました。フィラデルフィア実験の都市伝説が、正式に生まれました。

 

フィラデルフィア実験についての真実

(Fig.5) 係留中の艦船

 

フィラデルフィア実験は、アレン氏の熱狂的な想像力、ジェサップ氏の信憑性、真実、そして船員に関するゴシップの複雑な寄せ集めです。最初のことは、日付が一致しないことです。公式記録は次のように言います。USSエルドリッジ号は、最初の実験と言われる2日後の1943年7月25日に進水しました。彼は1943年8月27日にニューヨークの造船所で正式に就任しました。

確かなことは、1940年代にアメリカ海軍が、不可視化の実験をしたことです。もちろん、肉眼では見えませんでした。USSエルドリッジとその双子のUSSエングストローム(Engstrom)は、船体全体を電気ケーブルで囲む新しいシステムを装備していました。この技術はデガウシング(Degaussing)[消磁]と呼ばれており、その目的は、ナチ(Nazi)潜水艦で使われている機雷や磁気魚雷の容易な標的なことを避けるために、船の磁場を減らすことでした。この技術は40年代にとても普及し、軍用でも民間用でも艦船に適用されるようになりました。

USS エルドリッジの船員の1人のエドワード・ダッジョン(Edward Dudgeon)氏は次のように説明していす。デガウシング・システムは、外部の請負業者によって設置されました。「艇を見えなくする」ためのシステムについて話した船員の冗談と一緒に、彼らが何を設置していたのか正確にはわからないことは、ゴシップの引き金となるのに十分でした。これに、船が秘密の実験装置を持っていた事実が追加されました。それは、特に、新しいタイプのソナーであり、ヘッジホッグ(Hedgehog)[ハリネズミ]と呼ばれる深さの負荷にまくための[対潜迫撃砲]システムでした。

フィラデルフィア実験についての都市伝説で話されている「稲妻」は、サン・テルモの火(San Telmo fire < St. Elmo's fire の誤植かも>)として昔から知られているイオン化プラズマの放電と同じくらい簡単かもしれません。

 

(Fig.6) 艦と融合した人間のイメージ図

 

USSエルドリッジのミステリアスな消滅に関して、都市伝説のその部分の起源は、ノーフォークの基地での事件によるものだと、ダッジョン氏は説明しています。エルリッジは物資を得るために基地に接岸しましたが、しかし船はすぐに係留を解き、フィラデルフィアに戻りました。船は6時間以内に到着しました。この地域のナビゲーション・チャート[航海図]によれば、この横断は不可能でした。何故ならば、ドイツの潜水艦や機雷原を避けるために大きな迂回路を取る必要があったからです。実際には、船はチェサピーク&デラウェア(Chesapeake & Delaware)海峡を使いました。それは、半島への迂回路をスキップすることができます。

出発までの経緯と、そして居酒屋の戦いの間の裏口のそばの仲間の1人が、消えたUSSエルドリッジの船員の噂を助長したことを、ダッジョン氏は説明します。エドワード・ダッジョンも彼の仲間もバーで酒を飲むのに十分な年齢ではありませんでした。そして、戦いが勃発したとき、当局との問題を避けるために居酒屋は彼らを裏口から連れ出しました。多くの人にとって、ダッジョン氏のアカウント[直話]全体は、狂った実験の表紙です。

1951年1月15日に、USSエルドリッジはギリシャに移され、そこで船はレオン(Leon)の名の下に奉仕しました。船は1999年に運行を終え、そしてその日に平和的に廃棄され終わりました。1999年にUSSエルドリッジの退役軍人のグループがインタビューを申し出て、その中で歴史の楽しさについてコメントしました。それはフィラデルフィア実験の伝説を薄くするのに役立ちました。最も空想的な人は、次のことを信じるのが好きです。アメリカ海軍は、妄想的な疑似科学的コンボの、不可視性、テレポーテーション、タイムトラベルを手がけましたが、しかし一部の船員が死亡したために前進しないことを決めました。

 

事件はクローズしました

 

 

----- 出典 -----

infinityexplorers.com

 

----- この記事を読んで -----

フィラデルフィア実験。タイムトラベル、テレポーテーションのミステリーを扱ったトピックです。話を鵜呑みにせずよくよく調べれば、USSエルドリッジは、1999年まで運用されていたとのこと。

本編は、ミステリーの起源を明らかにする内容でした。フィラデルフィア実験は、残念ながらでっちあげられたストーリーでした。エンターテイメントと割り切ってお楽しみいただければ良いと思います。

また、ロマンを壊してしまいました。 m(_ _)m

 

エルドリッジ (護衛駆逐艦) - Wikipedia

 

----- パズルのピース -----

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