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ソーラーシステムの初めての星間訪問者が科学者達を驚かせる


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ソーラーシステムの初めての星間訪問者が科学者達を驚かせる

(図 オウムアムア クレジットNASA )

 

(Fig.) オウムアムアのアーティスト・コンセプト クレジット:欧州南天天文台/ M.コーンメッサー(M. Kornmesser)

星間小惑星1I / 2017 U1(オウムアムア)のアーティストのコンセプトです。2017年10月に発見された後、太陽系を通過しました。10:1までのアスペクト比は、私達自身の太陽系に見られるどんな物体のアスペクト比とも異なります。

 

今、新しいデータは、星間の招かれざる訪問者はやや赤みを帯びた色合いの岩で、葉巻状の物体なことを明らかにします。 発見者によってオウムアムア(Oumuamua)と命名された小惑星は、長さが400mで細長く、恐らく幅に対して10倍の長さです。 そのアスペクト比は、これまでの私達の太陽系で観測されたどの小惑星や彗星よりも大きい。 その細長い形状は大変に驚くべきもので、私達の太陽系に見られる小惑星とは異なり、他の太陽系がどのように形成されるかについての新しい手がかりを提供するかもしれません。

観測と分析はNASAの資金の一部が投入されました。そしてネイチャー(Nature)誌11月20日号に掲載されています。 彼らは、この珍奇な物体が天の川をさまよっていたことを示唆しており、私達の太陽系との偶然の出会いの前の何億年もの間、どの恒星系にも接続していませんでした。

「何十年にもわたって、このような星間物体が存在することを理論化しました。そして今、初めて – それらは存在するという直接の証拠があります。」と、ワシントンでNASAの科学ミッション・ディレクターの管理責任者のトーマス・ツルーチェン(Thomas Zurbuchen)氏は述べています。 「この歴史的な発見は、私達の太陽系外の恒星系の形成を研究する新しい窓口を開いています。」

その発見の直後に、チリのESO超大型望遠鏡や世界の他の展望台などの世界中の望遠鏡が、物体の軌道、明るさ、色を測定するために召集されました。 地上望遠鏡で観測して最良のデータを得るためには、この緊急性が不可欠でした。

他の大型望遠鏡のものと4つの異なるフィルターを使用するESO望遠鏡で、FORS機器からの画像を結合し、ハワイの天文学研究所(Institute for Astronomy)のカレン・ミーケ(Karen Meech)がリーダーの天文学者のチームは、「オウムアムアは、7.3時間ごとにその軸上を回転するので、明るさが10倍変化する」ことを発見しました。 私達の太陽系の既知の小惑星や彗星では、長さと幅の間がこのような大きな比率で、明るさが広範囲に変化するものはありません。 私達が今日までに見た最も細長い物体は、長さが幅より3倍も長いものはありません。

「この異常に大きな明るさの変化は、幅に対して10倍は、物体がとても長く伸び、複雑に旋回していることを意味します。」とミーケ氏は述べました。それは赤い色をしており、太陽系外の物体に似ていることを発見しており、なおかつ周囲にほこりのわずかなヒントなしに、それが完全に不活性であることを確認しています。

これらの特性は、オウムアムアは、岩と、おそらく金属でできていて密度が高く、水や氷がなく、数億年以上の宇宙線からの放射線の影響で表面が赤くなっていることを示唆しています。

いくつかの大きな地上望遠鏡は小惑星を追跡し続けますが、地球から遠ざかるにつれて急速に退色します。 NASAの宇宙望遠鏡(ハッブルスピッツァー)の2つが11月20日の週に物体を追跡しています。 11月20日現在、オウムアムアは、太陽に対して約85,700マイル/秒(38.3キロメートル/秒)で移動しています。 その位置は地球から約12,400万マイル(2億キロメートル)で、火星と木星の間の距離です。それが離脱する軌道は、太陽の周回軌道面の約20度上です。この物体は11月1日頃に火星の軌道を通過し、2018年5月に木星の軌道を通過します。それは2019年1月に土星の軌道を越えて移動します。それは私達の太陽系を去り、オウムアムアはペガサス座(constellation Pegasus)に向かいます。

大型の地上望遠鏡での観測は、12月中旬以降に対象があまりにも希薄で検出されなくなるまで継続されます。NASAの地球近傍物体研究センター(CNEOS)は、1I / 2017 U1が私達の太陽系を出る際の軌道を精緻化するために、利用可能なすべての追跡測定を引き続き投入しています。

ハワイ大学(University of Hawaii)のPan-STARRS1望遠鏡により、この注目すべき物体は、10月19日に発見され、NASAの近地球物体観測(Near Earth Observations:NEOO) プログラムの資金提供を受け、地球の近隣の小惑星や彗星を見つけて追跡しています。NASAの惑星防衛官であるリンドリー・ジョンソン(Lindley Johnson)氏は、「私達の天空望遠鏡がこの歴史的な瞬間を捉えるために適切なタイミングで適切な場所を探していたのは幸いです。この偶然の発見はNASAの地球に脅威となるかもしれない物体を見つけ、追跡し、特徴づける努力でのボーナス科学です。」と述べました。

予備的な軌道計算は、この物体はおおよそ、こと座(constellation of Lyra)の北部にある明るい星ベガ(Vega)の方向から来たことが提示されました。しかしながら、時速約59,000マイル (毎秒26.4キロメートル) の速度であっても、星間物体が旅をするのに大変に長い時間がかかり、その小惑星が30万年前にそこにあったとき、ベガはその位置の近くにはありませんでした。

当初は彗星として分類されていましたが、ESOや他の場所からの観測では、9月9日に時速196,000マイル (毎秒87.3キロメートル)の猛烈な(blistering)速度で太陽をスリングショット(slingshotted)で過ぎた後、彗星活動の兆候は見られませんでした。

この物体は、太陽系内外の天体に正式名称を付与する責任を負っている国際天文学連合(International Astronomical Union、IAU)により、星間小惑星1I / 2017 U1に再分類 さています。技術的な名前に加えて、Pan-STARRS望遠鏡のチームはそれを「オー・ムーア・ムーア(oh MOO-uh MOO-uh)と発音する」と名づけました。これは「遠くからのメッセンジャーが最初に到着しました」というハワイ語です。

天文学者達は、「オウムアムア」に似た星間小惑星が太陽系内を1年に1回通過すると推定していますが、現時点では気づきにくく、見逃しがちでした。 Pan-STARRSのような観測望遠鏡が、それらを発見するチャンスがあるほど十分に強力なのは、ごく最近です。

「なんと魅力的な発見なのか」と、カリフォルニア州パサデナ(Pasadena)のNASAのジェット推進研究所(Jet Propulsion Laboratory)の近地球物体研究センター(Center for Near-Earth Object Studies)のマネージャー、ポール・コーダス(Paul Chodas)氏は言っています。「これは遠い星系の奇妙な訪問者で、私達の太陽系近辺では見たことのないような形をしています。」

 


First Interstellar Asteroid Wows Scientists

(3:15)  2017/11/20

 

 

----- 出典 -----

www.nasa.gov

 

----- 参考ビデオ -----


The story of 'Oumuamua, the first visitor from another star system | Karen J. Meech

 

 

----- この記事を読んで -----

私達の太陽系も、天の川銀河の中を動いています。オウムアムア小惑星規模でしたが、惑星サイズで銀河を放浪しているかのような自由浮遊惑星もあり、出会うこともあるのかもしれません。

オウムアムアは天然の小惑星だと公式な見解が発表されましたが、その材質と形状、加速した(太陽を焦点とした双曲線軌道でスイングバイした)ことから、天然物ではなくて、人工物ではなかろうかとした考察も散見されました。あえてNASAの記事を取り上げているのは、以下の憶測が先行していないだろうからです。

エイリアンのプローブ[探査機]ではなかろうか。捨てられたエイリアンのベッセル[艦船]ではなかろうか。既に通り過ぎて離れてしまい、今となっては確認のしようがありません。本当のところは誰にも分かりません。いったい何だったのでしょうか !?

 

オウムアムア (恒星間天体) - Wikipedia

自由浮遊惑星 - Wikipedia

スイングバイ - Wikipedia

 

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