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NASAは、小惑星をコースから蹴りだすための宇宙船を打ち上げる


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(図 NASA’s DART spacecraft クレジットNASA/Johns Hopkins APL/Steve Gribben)

 ピックアップ

 

Ⅰ NASAは、小惑星をコースから蹴りだすための宇宙船を打ち上げる

(Fig.) アーティクル・イメージ

 

小惑星に、宇宙船を計画的な粉砕をするNASAのミッション - 人類が、巨大な宇宙の岩石が地球上の生命を一掃するのを止めるために行う必要があるべき試験実施 - が、火曜日(2021年11月23日)にカリフォルニアから発射されました。

 

サイエンス・フィクションのように聞こえるかもしれませんが、しかし、DART(Double Asteroid Redirection Test)は現実の概念実証実験で、その目標は、小惑星ディモーフォス(Dimorphos)の軌道をわずかに変えることです。

ミッション宇宙船を搭載したスペース・エックス(SpaceX)社のロケットは、火曜日の太平洋時間午後10時21分(グリニッジ標準時0621水曜日)にヴァンデンバーグ宇宙軍基地(Vandenberg Space Force Base)から離陸しました。

小惑星ディモーフォス:私たちはあなたのために来ています!」 NASAは打ち上げ後にツイートし、後で付け加えました、DART宇宙船は、第2段ロケットから首尾よく分離しました。

「私達は、#DARTMissionから最初のシグナルを受け取りました。これは、今後数時間でソーラーパネルを展開し続け、小惑星への10か月の片道旅行の準備をします。」と、付け加えました。

 

ディモーフォスは、幅約525フィート(160メートル、または2つの自由の女神(Statues of Liberty) )の「小衛星(moonlet)」で、ディディモス(Didymos) (直径2,500フィート、約762メートル)と呼ばれる遥かに大きな小惑星を周ります。 ペアは一緒に太陽を周回します。

衝突は2022年の秋に発生するはずです。二重小惑星系は地球から680万マイル(1100万キロメートル)離れており、それらがこれまでに得たほぼ最も近い地点です。

 

(Fig.1) 3つの技術。地球と小惑星の間の壊滅的な衝突を回避するために、科学者達により検討されている3つのテクニック。

 

現在の脅威はありません

「私達が学ぼうとしているのは、脅威をそらす方法です」と、NASAのトップ科学者のトーマス・ズブルチェン(Thomas Zuburchen)氏は、この種の最初の3億3,000万ドルの計画について述べました。

明確にしておきます、問題の小惑星は私たちの惑星にリスクを引き起こしません。

しかし、それらは地球近傍天体(Near-Earth Objects、NEO)として知られる天体のクラスに属しており、3,000万マイル(約4,828万キロメートル)以内に接近します。

NASAの惑星防衛調整局(Planetary Defense Coordination Office、PDCO)は、サイズが460フィート(約1.2キロメートル)を超えるものに最も関心があります。このサイズは、平均的な核爆弾の何倍ものエネルギーで都市や地域全体をさら地(level)する可能性があります。

1つの大きな警告:科学者達は、発見待ちの、そのような天体が依然として15,000以上あると考えています。

 

(Fig.2) ファルコン9ロケット。離陸の日の日の出に、DART宇宙船を搭載したスペース・エックス社のファルコン9 (Falcon 9)ロケット。

 

時速15,000マイルの蹴り込み

惑星科学者達は、実験室でミニチュアの衝突を創造でき、その結果を使用して、小惑星をそらす方法について精巧なモデルを作り出せます - しかし、これらは常に現実世界の試験よりも劣っています。

科学者達はこう言います、ディディモス=ディモーフォス小惑星系は、「理想的な自然実験室」です。何故ならば、地球ベースの望遠鏡を使用して、小衛星がその大きな兄弟天体を周回するのにかかる時間を判断できるからです。

現在の公転周期がわかっていますから、この変化は衝突の効果を明らかにします。それは、2022年9月26日から10月1日までの間に発生する予定です。

そのうえ、小惑星の軌道は私達の惑星と決して交差しませんから、それらは研究するためにより安全だと考えられています。

 

両側にリムジン・サイズのソーラーパネルを備えた大型冷蔵庫のサイズの箱の、DART探査機は、時速15,000マイル強でディモーフォスに激しくぶつかります。

DART調査チームのリーダーのアンディ・リブキン(Andy Rivkin)氏はこう述べました、現在の公転周期は11時間55分で、蹴り込みで、その時間から約10分短縮されます。

衝突により、どれだけのエネルギーが伝達されるかについて、いくつかの不確実性があります。何故ならば、小衛星の内部組成と多孔性[クッション性]が不明だからです。

 

(Fig.3) アーティストのイラスト これは、ディディモス連星系に衝突する前のDART宇宙船を後ろ姿を示しています。

 

生成されるデブリ[破片]が多ければ多いほど、ディモーフォスにより多くの押し動かしが授けられます。

「毎回、私達は、小惑星が現れると、私達は私達が予期しないものを見つけます」とリヴキン氏は言いました。

DART宇宙船には、航法と画像用の精巧な機器も含まれています。衝突とその余波を監視するための、イタリア宇宙機関(Italian Space Agency)の小惑星イメージング用の軽量イタリア製立法体衛星(Light Italian CubeSat for Imaging of Asteroids、LICIACube)が含まれています。

CubeSat[立方体衛星]が、DARTの衝突、そして小惑星から放出される噴出の噴煙の最も壮観な画像を私達に提供してくれることを願っています。 それは本当に歴史的で壮観な画像になるでしょう」と、DART計画の科学者、トム・スタトラー(Tom Statler)氏は述べました。

 

核爆発

いわゆる「動的衝撃器(kinetic impactor)」だけが、小惑星をそらす方法ではありませんが、しかし、現在のテクノロジーで配置する準備ができている唯一の技術です。

仮定されている他のものは、小さな重力を与えるために、近くに宇宙船を飛ばすことを含みます。

もう1つは、映画「アルマゲドン(Armageddon)」や「ディープインパクト(Deep Impact)」のように、天体そのものではなくて、近くで核を爆発させることです - これは、おそらくより多くの危険な物体が創られるでしょう。

科学者達は、460フィート(約1.2キロメートル)の小惑星が20,000年に1回襲ってくると推定しています。

6マイル(約9.6キロメートル))以上の小惑星 - 6,600万年前に襲い、恐竜を含め地球上のほとんどの生命の絶滅につながったものなど - は、約1億年から2億年毎に起こります。

 

 

----- 出典 Ⅰ -----

phys.org

 

 

Ⅱ NASAは「アルマゲドン・スタイル」のミッションで小惑星を粉砕するために片道のDARTロケットを打ち上げる

(Fig.) アーティクル・イメージ NASAは、ダブル・アステロイド・リダイレクション・テスト(DART)宇宙船を宇宙に送りました

 

NASAは今朝(2021年11月24日)、DART宇宙船を打ち上げ、小惑星に向かって時速15,000マイル(約時速24,140キロメートル)で飛んでゆき、コースから外す設定で、惑星防衛のための1つの大きな飛躍です。

 

NASAは、米国の宇宙機関がアルマゲドン(Armageddon)スタイルの宇宙岩から地球を守る準備をしているときに、小惑星に直接衝突することを目的とした片道のロケット・ミッションを開始しました。

ダブル・アステロイド・リダイレクション・テスト(DART)宇宙船は、スペース・エックス社のファルコン9ロケットに乗って、カリフォルニア(California)のヴァンデンバーグ宇宙軍基地から今朝6.21amに離陸しました。

これはNASA初の惑星防衛ミッションです。

NASAのライブ・ストリームでの打ち上げについてコメントしたプレゼンターは、ファルコン9が上昇したときに建物がどのように「揺れている」かを説明しました。

打ち上げの7分後、彼らはこれまでのところすべてが「名目上、順調に進んでいる」ことを確認しました。 この時点で、ロケットの1段目が切り離されました。

ロケットの第2段目は、2回のフル・スラスト燃焼を完了するために、より長く留まりました。

 

(Fig.1) DARTロケットは時速15,000マイルで宇宙を爆破します

 

3億3000万ドル (2億4700万ポンド) の費用がかかるDARTは、小衛星のディモーフォスに向かって時速15,000マイル(約時速24,140キロメートル)で向かっています。

計画は、610kgのクラフト[機]をディモーフォスに衝突させることです。これは、はるかに大きな小惑星ディディモスを周回します。私達に向かっているかもしれない小惑星の経路をどれだけ効果的に変更できるかを試験します。

ディモーフォスもディディモスも私達の近くに来ていませんが、それは空からのこの脅威が深刻ではないということではありません。

ディモーフォスの幅は170m、ディディモスの幅は780mです。

これらのサイズは地球のサイズと比較して取るに足らないように見えますが、もしもディディモスが私達と直接衝突したのならば、終末論的な結果となるでしょう。

 

(Fig.2) 19mのクラフト小惑星に激突します - もしも、総てが計画通りに進んだのなら

 

ディモーフォスのサイズの天体は、核爆弾のように爆発する可能性もありますが、それは何倍も強力です。

ミッション計画の科学者のトム・スタトラー(Tom Statler)氏は、打ち上げ前に次のように説明しました:「大きな小惑星よりも小さな小惑星の方がはるかに多いので、私達が直面しなければならない最も可能性の高い小惑星の脅威 - もしも、私達が直面しなければならないのならば - は、おそらく、このサイズの小惑星からのものになるでしょう。」

ディモーフォスが680万マイル(約 1,094万キロメートル)離れていることを考えると、DARTがそこに到達するまでに約10か月かかります。これは、最も重要な衝突は来年の9月または10月に起こりることを意味します。

680万マイルは、NASAが衝突の結果を観測するのに十分な距離にあり、小惑星を惑星兵器の試験に対して完璧にします。

 

(Fig.3) でも巨大なロケットは、10ヶ月間、小惑星に到着することにはなっていません

 

LICIACubeと呼ばれるイタリア製の衛星も搭載されており、写真とデータを地球に送り返すために、衝突の直前に脱出します。

NASAの科学者達は、その後、どのように、そしてどれだけそれらがなんとかディディモスの周りのディモーフォスの軌道経路を - それをごくわずかに変更することを目的としています - 変えることができたかどうかを、緊急に分析します。

NASAの惑星防衛調整局から、ケリー・ファスト(Kelly Fast)氏は、次のように説明しています:「DARTは、ディモーフォスの軌道の周期をほんの少しだけ変えるでしょう。

 

(Fig.4) 第2段ロケットは、2回の推力燃焼のために取り付けられたままでした

 

「そして、小惑星がかなり前もって発見された場合に必要なのは、本当にそれだけです。」

今月初め、NASA初の惑星防衛調整局のリンドリー・ジョンソン(Lindley Johnson)氏は次の主張をしました。差し迫った脅威はありませんが、この技術を今すぐ試験することが重要です。

彼はこう述べました、「私達は、小惑星が地球に向かっている状況になりたくありませんし、そして、この種の能力をテストする必要があります。」

 

 

----- 出典 Ⅱ -----

www.dailystar.co.uk

(参考記事)

www.nasa.gov

 

----- 2021/11/23,24公開の記事を読んで -----

地球近傍天体の、ものによっては地球に壊滅的な被害となることは以前より言われてきました。ようやく、防衛アクションとしてスタートし、記念すべき時が来ました。

地球そのものが割れるような天体衝突(まず、あり得そうもなさそうですが)を、人工的/科学技術的に避けることはできません。しかし、地球の大規模な環境変化、氷河期などの引き金となるような小惑星の衝突コースをそらし、地球への衝突を免れる対策はできそうです。

今回実施される試験は、簡単に言えば、ビリヤードのような作戦です。目標の重心に影響するポイントに当てられるか、衝突させる人工衛星の (質量×速度)=運動量、それと小惑星側のクッション性で、どの程度の成功になるのかが決まります。

ようやく始まったので、この結果と今後に期待です !

 

DART (探査機) - Wikipedia

LICIACube - Wikipedia

CubeSat - Wikipedia

 

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