NASAの科学者は、27マイルを超える長距離の「量子テレポーテーション」を初めて達成しました
NASAの科学者は、27マイルを超える長距離の「量子テレポーテーション」を初めて達成しました - 光速よりも速くデータを転送する、ハッキングできないネットワークへの道を開きます
(図 人工知能 Pixabay)
- 科学者達は、米国で27マイルの長さのプロトタイプ量子インターネットを構築しました
- 量子もつれを使用して信号を即座にテレポートすることに成功しました
- この現象では、コンピュータービットに相当する量子ビットであるキュービットがペアになり、即座に応答します
科学者達は、長距離の「量子テレポーテーション」- キュービット(qubits)ととして知られる量子情報の単位の即時転送 - を初めて実証しました。
キュービットは、27マイルの距離を光速よりも速く転送され、いつの日かコンピューティングに革命を起こす可能性のある、量子インターネット・サービスの基礎を築きました。
量子通信システムは、通常のネットワークよりも高速で安全です。何故ならばハッキングされる可能性のあるコンピューターコードではなく光子を使用するからです。
しかし、それらの開発は最先端の科学理論に依存しており、これはコンピューターがどのように機能するかについての私達の理解を変えるものです。
(Fig.1) テスト中の量子センサー用のレーザーシステム 研究者達は、量子インターネットが27マイルの距離で90%の忠実度で機能することを発見しました
量子インターネットでは、キュービット(コンピューターのビットに相当する量子ビット)に格納された情報は、もつれ(entanglement)を介して長距離にわたって往復で運ばれる(shuttled)または「テレポート(teleported)」されます。
もつれは、一方と共有されている情報がもう一方と完全に同時に共有されるように2つの粒子がリンクされる現象です。
これは、各々の粒子の量子状態が他の粒子の状態に依存していることを意味します -たとえそれらが大きな距離で離れていてさえも。
それ故に、量子テレポーテーションは、ある場所から別の場所への量子状態の転送です。
しかしながら、テレポートの品質または「忠実度」を簡単に崩壊させる可能性のある環境干渉に大いに敏感です、そのため、実践で理論を証明することは技術的な挑戦でした。
(Fig.2) 極低温装置 カリフォルニア工科大学の大学院生アンドリュー・ミューラー(Andrew Mueller)氏が、量子検出器が収容されている極低温装置を調整しているところ
彼らの最新の実験では、カリフォルニア工科大学(Caltech)、NASA、そしてフェルミラボ(フェルミ国立加速器研究所(Fermi National Accelerator Laboratory) )の研究者が、27マイル(44 km)離れた2つのラボ間に独自のシステムを構築しました。
このシステムは3つのノードで構成されており、キュービットのシーケンスをトリガーするために互いに相互作用し、ある場所から別の場所に信号を瞬時に渡します。
「テレポーテーション」は瞬時に行われ、光速よりも速く起こります。そして、PRX Quantumに発表された新しい研究によれば、研究者達は90%以上の忠実度(fidelity)を報告しました。
忠実度は、送信された元のメッセージに対して、結果のキュービット信号がどれだけ近いかを測定するために使用されます。
(Fig.3) 忠実度データ分析 カリフォルニア工科大学の大学院生、サマンサ・デイビス(Samantha Davis)氏が、リアルタイム・データ収集ソフトウェアを使用して量子テレポーテーションの忠実度データを分析
(Fig.4) ノード調整 量子テレポーテーションノードの1つを校正するカリフォルニア工科大学のポスドク研究員、ラジュ・バリバルティ(Raju Valivarthi)氏
「この高い忠実度は、特にこの量子ネットワークの場合に重要です、それは量子センサーを含めて、高度な量子デバイスを接続するように設計されています」と、カリフォルニア工科大学のマリア・スピロプル(Maria Spiropulu)教授は説明します。
プロジェクトの調査結果は、将来の量子インターネットの希望と、科学者達が量子領域について知っていることの限界を押し上げるために不可欠です。
この技術は、このような高度なテストを超えて展開される段階にはまだ至っていませんが、政策立案者がこの技術をどのように採用するかについては、既に計画があります。
例えば、米国エネルギー省(US Department of Energy)は、国を横断して研究所間に量子ネットワークを構築することを望んでいます。
量子インターネット上で動作する量子コンピューターの能力は、世界で最も洗練されたスーパーコンピューターの速度を約100兆倍超える可能性があります。
「ソーシャル・メディアの人々は、彼らが量子インターネットプロバイダーにサインアップすべきかどうか尋ねています(もちろん冗談めかして)」と、スピロプル教授はマザーボード(Motherboard)誌に伝えました。
「私達には、(たくさん)より多くの研究開発作業が必要です。」
[VIDEO] (6:05)
----- 出典 -----
----- この記事を読んで -----
幽霊のような現象、量子もつれが通信手段として確立されるのかもしれません。このことだけでも驚きですが、そもそも光速度を超えて情報のやり取りができるようになるとしたら、こうしたテクノロジーが、人類の未来にどのような意味を持ってくるのでしょうか。
----- パズルのピース -----
zzak.hatenablog.jpzzak.hatenablog.jpzzak.hatenablog.jp