WHO 神話バスターズ & デマ対策、消毒剤
インデックス
- 新型コロナウイルス - 現状
- コロナウイルス疾患 (COVID-19) の一般向けアドバイス:神話バスターズ
- ハンドドライヤーは新型コロナウイルスを殺すのに効果的でしょうか
- 紫外線消毒ランプは新型コロナウイルスを殺すことができるでしょうか
- サーマルスキャナーは、新型コロナウイルスに感染した人々を検出するのに、どのくらい効果的でしょうか
- アルコールや塩素を、あなたの全身にスプレーすることは、新型コロナウイルスを殺すことができるでしょうか
- 中国からの手紙や小包を受け取ることは安全でしょうか
- 自宅のペットは、新型コロナウイルスを拡散できるのでしょうか
- 肺炎(pneumonia)に対するワクチンは、新型コロナウイルスに対してあなたを守るでしょうか
- 生理食塩水(saline)で定期的に鼻をすすぐことは、新型コロナウイルスの感染を防ぐのに役立つでしょうか
- ニンニクを食べることで、新型コロナウイルスの感染を防げるのでしょうか
- ゴマ油(sesame oil)を塗ると、新型コロナウイルスが体内に入るのを防ぐのでしょうか
- 新型コロナウイルスは高齢者に影響を及ぼすのでしょうか、それとも若者も影響を受けるのでしょうか
- 抗生物質は、新型コロナウイルスの予防と治療に有効でしょうか
- 新型コロナウイルスを予防かまたは治療するための、特定の薬はあるのでしょうか
- 新型コロナウイルスについてのデマに対抗する情報
- 消毒剤
新型コロナウイルス - 現状
新型コロナウイルス(病原体のウイルス名 SARS-CoV-2、疾患名 COVID-19、旧称 2019-nCoV) の広がりに歯止めがかからず、CDC(米国疾病予防管理センター)の発言では「パンデミックを宣言する3つの条件のうち2つを満たしている」状況となっています。
(世界的な被害のリアルタイム状況はコチラで見れます)
韓国、イタリア、イランで急速にブレイクしてしまいました。
一方で、ここ数週間、さまざまな情報を見ていると、悪意のあるデマ、誤情報を発信する不届き者、そして「こんな情報を掴んだぞ ! 」とSNS上でシェアすることで「結果的にデマの拡散に加担している方」が多いことに驚かされました。
そうして拡散されたデマに触れてしまい、不安に陥れられている方も実際いらっしゃいましたした。(この記事を書いている今日は、トイレットペーパーが無くなるデマが出回っています。)
また、専門家と称してメディアに登場する先生が、消毒はアルコールと正確な情報を連発され、既に店頭で販売されていない物品情報を繰り返し、ご本人が意図せずにパニック・メーカーとなっている例は連日のようにあります。
正常な判断力を欠落させ、無駄な動きにつながるデマやパニック・メーカーは邪魔です。こうした部分でWHOも苦労されているようで、いくつかのデマに反論し、パニック・メーカーの凝り固まった考えを受け入れなくて済む例を提示しています。以下、デマと闘うための資料をご紹介させていただきます。
コロナウイルス疾患 (COVID-19) の一般向けアドバイス:神話バスターズ
ハンドドライヤーは新型コロナウイルスを殺すのに効果的でしょうか
いいえ。ハンドドライヤーは新型コロナウイルスを殺すのに効果的ではありません。新型コロナウイルスから身を守るために、アルコールベース消毒剤で頻繁に手指を洗うか、石鹸と水で手指を洗う必要があります。手をきれいにしたら、ペーパータオルまたは温風乾燥機を使用して手を完全に乾かします。
(Fig.) Are hand dryers effective in killing the new coronavirus?
紫外線消毒ランプは新型コロナウイルスを殺すことができるでしょうか
紫外線は皮膚の炎症を引き起こす可能性があるので、UVランプを手や皮膚の他の部分を消毒するために使わないでください。
(Fig.) Can an ultraviolet disinfection lamp kill the new coronavirus?
サーマルスキャナーは、新型コロナウイルスに感染した人々を検出するのに、どのくらい効果的でしょうか
サーマルスキャナーは、新型コロナウイルスに感染したために発熱した(すなわち、通常の体温よりも高い)人を検出するのに効果的です。
しかしながら、それらは、感染しているが未だ発熱していない人を検出することはできません。その訳は、感染者が病気になり発熱するまでに2~10日かかるからです。
(Fig.) How effective are thermal scanners in detecting people infected with the new coronavirus?
アルコールや塩素を、あなたの全身にスプレーすることは、新型コロナウイルスを殺すことができるでしょうか
いいえ。アルコールまたは塩素をあなたの全身にスプレーしても、既にあなたの体内に入ったウイルスを殺せません。このような物質をスプレー[噴霧]すると、衣服や粘膜(目、口など)に有害なことがあります。アルコールと塩素の双方は表面の消毒に役立ちますが、ただし、適切な推奨事項の下で使用する必要があることにご注意ください。
中国からの手紙や小包を受け取ることは安全でしょうか
はい、安全です。中国から荷物を受け取る人が、新型コロナウイルスに感染するリスクはありません。以前の分析から、手紙や小包などのオブジェクト上で、コロナウイルスが長生きしないことを私達は知っています。
(Fig.) Is it safe to receive a letter or a package from China?
自宅のペットは、新型コロナウイルスを拡散できるのでしょうか
現在、犬や猫などのコンパニオン・アニマル/ペットが新型コロナウイルスに感染できるとした証拠はありません。しかしながら、ペットとの接触した後、石鹸と水で手を洗うことをお勧めします。これにより、ペットと人間の間を通過する可能性のある大腸菌(E.coli)やサルモネラ菌(Salmonella)など、さまざまな一般的な細菌(bacteria)に対して、あなたを保護します。
(Fig.) Can pets at home spread the new coronavirus (2019-nCoV)?
肺炎(pneumonia)に対するワクチンは、新型コロナウイルスに対してあなたを守るでしょうか
いいえ。肺炎球菌ワクチン(pneumococcal vaccine)やヘモフィルス・インフルエンザ・タイプB (Hib)ワクチン(Haemophilus influenza type B (Hib) vaccine)などの肺炎に対するワクチンは、新型コロナウイルスに対する保護を提供しません。
ウイルスは全くの新型で[旧来のものと]異なるため、独自のワクチンが必要です。研究者達は、新型コロナウイルスに対するワクチンの開発を試みており、WHOはその努力を支援しています。
これらのワクチンは新型コロナウイルス対して効果的ではありませんが、呼吸器疾患(respiratory illnesses)に対する予防接種(vaccination)を、あなたの健康を守るために強くお勧めいたします。
(Fig.) Do vaccines against pneumonia protect you against the new coronavirus?
生理食塩水(saline)で定期的に鼻をすすぐことは、新型コロナウイルスの感染を防ぐのに役立つでしょうか
いいえ。定期的に生理食塩水で鼻をすすぐことで、新型コロナウイルスの感染から人々を保護した証拠はありません。
次の、一部の限定的な証拠があります、定期的に生理食塩水で鼻をすすぐことは、人々が一般的な風邪からより速く回復することに役立ちます。しかしながら、定期的に鼻をすすぐことには、呼吸器感染症(respiratory infections)を予防することが示されていません。
(Fig.) Can regularly rinsing your nose with saline help prevent infection with the new coronavirus?
ニンニクを食べることで、新型コロナウイルスの感染を防げるのでしょうか
ニンニクは、一部の抗菌特性(antimicrobial properties)を持つ健康食品です。しかしながら、現在の流行から次の証拠はありません、ニンニクを食べることが新型コロナウイルスから人々を守りました。
(Fig.) Can eating garlic help prevent infection with the new coronavirus?
ゴマ油(sesame oil)を塗ると、新型コロナウイルスが体内に入るのを防ぐのでしょうか
いいえ。ゴマ油は新型コロナウイルスを殺しません。表面上の新型コロナウイルスを殺せる一部の化学消毒剤があります。これらには、漂白剤/塩素ベースの消毒剤 {各々の溶剤[溶媒]、75%のエタノール、過酢酸(かさくさん、peracetic acid)、クロロホルム} を含みます。
しかしながら、もしあなたがそれらを皮膚や鼻の下に付けた場合、それらはウイルスに殆どかまたは全くインパクトを与えません。これらの化学物質をあなたの肌に塗るのは、危険でさえあります。
(Fig.) Does putting on sesame oil block the new coronavirus from entering the body?
新型コロナウイルスは高齢者に影響を及ぼすのでしょうか、それとも若者も影響を受けるのでしょうか
総ての年齢の人々が、新型コロナウイルスに感染する可能性があります。高齢者、そして既存の病状(喘息(asthma)、糖尿病(diabetes)、心臓疾患など)を持つ人々は、ウイルスでより重症になりやすいように見えます。
WHOは、総ての年齢の人々に、ウイルスから身を守るための措置 (例えば、良好な手指衛生と良好な呼吸器衛生に従うこと) を講じるように助言をしています。
(Fig.) Does the new coronavirus affect older people, or are younger people also susceptible?
抗生物質は、新型コロナウイルスの予防と治療に有効でしょうか
いいえ、抗生物質はウイルスに対しては機能せず、細菌(バクテリア)に対してのみ機能します。
新型コロナウイルスはウイルスであり、それ故に、抗生物質を予防や治療の手段として使用すべきではありません。
しかしながら、もしもあなたが新型コロナウイルスで入院していのならば、抗生物質が投与されるかもしれません。何故ならば、細菌の共感染が起こる可能性があるからです。
(Fig.) Are antibiotics effective in preventing and treating the new coronavirus?
新型コロナウイルスを予防かまたは治療するための、特定の薬はあるのでしょうか
現在まで、新型コロナウイルスの予防かまたは治療に推奨される、特定の薬はありません。
しかしながら、ウイルスに感染した人は、症状を緩和して治療するために適切なケアを受ける必要があります。そして重病の人は、最適化された支持療法を受ける必要があります。一部の特定の治療法は調査中で、臨床試験を通してテストされます。WHOは、さまざまなパートナーとの研究開発の尽力に貢献しています。
(Fig.) Are there any specific medicines to prevent or treat the new coronavirus?
----- 出典 -----
WHO:Coronavirus disease (COVID-19) advice for the public: Mythbusters
新型コロナウイルスについてのデマに対抗する情報
おおよその傾向になりますが、YouTube、Twitterより発信されるデマが多い印象です。これらの各プラットフォームでもデマ情報への対処をされていますが、ほぼ英語で発信されたものへの対処になってしまっているようです。
日本語で発信された情報には、対処できていない野放しな印象です。中国や海外の知人からの話だとするデマカセ、人種差別の要素が加味されたりもするバイオウェポンだとする陰謀論のデッチアゲ、デタラメナな方法によるウイルス防御対策、マユツバな薬や治療方法。あの手この手の、さまざまなデマがあります。
こうした情報の裏を取り、デマのレッテルを貼るかまたは真偽不明としてお蔵入りさせるなど、情報の整理をされているサイトをご紹介させていただきます。新手のデマまでの対応はできていないものの、デマのパターンを把握できてくると、なんとなく判断もできるようになるかと思います。
ウィキペディア(英語版)
ファクト・チェック(英語版)
FIJ(ファクトチェック・イニシアティブ)|新型コロナウイルス特設サイト
インファクト|ファクトチェック
消毒剤
WHOの文章にありましたように、化学消毒剤(消毒薬 - Wikipedia)として
- 漂白剤 - Wikipedia / 塩素ベースの消毒剤
- 75%のエタノール - Wikipedia
- 過酢酸 - Wikipedia
- クロロホルム - Wikipedia
が利用できるとのこと。(安全な利用方法については、各々の製品でご確認ください)
人体への影響が少ないものとして、手指衛生にアルコールベースの消毒剤を使う場合は75%のエタノールが指定されています。(手指衛生の基本は「石鹸と流水で洗う方法」で、これが出来ない状況のときに、アルコールベースの消毒剤となります)
例えば、扉のノブ(取って)やスイッチ、床、机、椅子などは、薄めた漂白剤で拭いても問題がないでしょう。一例として、漂白剤を利用した消毒液の作り方が紹介されています。(信頼性の観点から公的機関の発表しているものとして、東京都目黒区版を挙げておきます)
www.city.meguro.tokyo.jpwww.city.meguro.tokyo.jp
なお、ハイターは花王㈱の登録商標で、花王㈱さん以外のメーカーではブリーチと呼ばれるている商品になります。キッチン用として販売されている成分は、ほぼ同じになります。ハイターは登録商標な分だけ市販価格が高いかもしれません。
また、エタノールを含有する製品には酒税がかけられていることがあり、その分割高になっている製品もあります。
WHO版:手指衛生の参考
zzak.hatenablog.jpzzak.hatenablog.jp
CDC:米国疾病予防管理センター 版
以上となります。
お役に立てることがありましたら嬉しく思います。