研究者は、人類を永遠に変えるかもしれない 「世界初」の核融合炉を始動しました
研究者は、人類を永遠に変えるかもしれない 「世界初」の核融合炉を始動しました
(図 核融合炉イメージ Pixabay) (Fig.) 核融合炉の内部
英国の最新の核融合炉は、初めて始動した後、最初のプラズマを達成しました。 これは単純に、核融合炉がその内部に電気的に溶融した塊、荷電ガス-プラズマを首尾よく生成できることを意味します。
ST40と呼ばれる核融合炉は、世界有数の民間融合エネルギー会社の1つであるトカマク・エナジー(Tokamak Energy)社によって建設されました。 同社は2009年に設立され、2030年までに核融合炉をグリッドに導入するための小型核融合炉の設計と開発を目的としています。
ST40が稼働しているので、同社は核融合温度に達するのに必要な磁気コイルの完全な組み合わせ委託して設置します。 ST40は、2017年秋までに摂氏1,500万度(華氏2,700万度)の太陽の中心と同じ高温のプラズマを作り出すはずです。
2018年までにST40はプラズマ温度を摂氏1億度(華氏1億8千万度)にし、個人所有資金提供された別の核融合炉の記録を破ります。 温度しきい値(閾値)は、制御された核融合反応を引き起す最低温度で、重要です。 ST40が成功すれば、その新しいデザインが商業的に実行可能な核融合の電力を生むことが証明されます。
トカマク・エナジー社のデビッド・キングハム(David Kingham)CEOは、プレスリリースで次のようにコメントしています。
「今日は、英国および世界での核融合エネルギー開発にとって重要な一日です。 私たちは、世界で初めての制御融合装置を民間ベンチャーによって設計、建設、運営されたことを発表しています。 ST40は、コンパクトで費用対効果の高い反応炉で、1億度の核融合温度を実現するマシンです。 これで、一年ではなく何十年にも渡る核融合の電力が達成されるだろう」
核融合の電力:近づいてくる
核融合は潜在的に革命的な動力源です。 これは、太陽のような星に燃料を供給する同じプロセスで、汚染された核廃棄物や相当量の炭素排出を発生させることなく、無限のクリーンエネルギーを供給することができます。 原子核を分裂させる今日の核分裂反応炉とは対照的に、核融合には塩と水が必要で、原子同士を融合させる必要があります。 その主な廃棄物はヘリウムです。 科学者達が地球上でこれを達成するのかを理解しようとしたのはなぜか、この理由は簡単です。しかし、実現はとても困難でした。
トカマク・エナジー社が取り組んでいる核融合エネルギーへの旅は、短期間に計画され、迅速に動きました。 同社は既に核融合での電力供給の半分の目標を達成しています。 彼らの究極の目標は、2025年までにST40を使用して最初の電力を生産し、2030年までに商業的に実行可能な核融合での電力を生産することです。
キングハム氏はプレスリリースで次のように述べています。「私達は依然として多大な投資、多くの学術と産業の協力、専任の創造的なエンジニアと科学者、優れたサプライチェーンが必要です。 私達のアプローチは、一連の工学的課題にまで工程を分割することで、各々の新しいマイルストーンに到達するための追加投資が行われます。」
トカマク・エナジー社ホームページ
----- 出典 -----
掲載終了しております。
(同様な記事)
www.physics-astronomy.orgwww.world-nuclear-news.orgwww.livescience.comwww.ae.k.u-tokyo.ac.jp
----- 参考ビデオ -----
2019 fusion progress at Tokamak Energy
(3:26) 2020/01/03
---- この記事を読んで -----
悲願とも言える核融合は、今世紀に入ってやっと、やっと実用化の兆しが見えてきたようです。
現在使われている原子炉は、高濃度に濃縮した 235U (ウラン235)や 239Pu (プルトニウム239) などの核分裂性の物質を燃料として、制御しながら連鎖反応させる原理です。ご存じの通り、猛毒の放射性廃棄物が出ます。これらの猛毒の放射性廃棄物は、最終処分施設の場所すら決まらずじまいです。地球と人類にとって、大きな負の遺産となっています。
一方で、核融合炉の主要な燃料は水素で、これは水を原料として、電気分解により取り出せる利点があります。水素の燃えカスとしての放射性廃棄物は、原子炉に比べれば出ません。しかし、炉や周辺の設備が放射性化します。周辺設備の汚染は原子炉とさして変わらないと考えられているようです。
核融合炉とは、簡単に言ってしまえばミニ太陽を実現することです。具体的には、磁場でプラズマを閉じ込める囲炉裏を作る技術です。それを入れる高真空と超高温に耐えられる容器が必要となります。コンパクト化も含めて、1日でも早く実現して欲しいテクノロジーです。
地球の衛星の月には、重水素(デューテリウム)だか三重水素(トリチウム)が豊富なようで、こうした核融合炉燃料の資源を求めた開発がされるかもしれません。
----- パズルのピース -----
zzak.hatenablog.jpzzak.hatenablog.jpzzak.hatenablog.jp