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科学者達が、奇妙な出来事の中で生まれた新しい種類のブラックホールを検出


科学者達が、奇妙な出来事の中で生まれた新しい種類のブラックホールを検出

(図 When Black Holes Collide ウィキメディア経由CC2.0 クレジットNASA Blueshift)  重力波で、ブラックホールの合体のシミュレーション

 

説明のつかない「禁じられた質量」を持つブラックホールとの合体は、時空(spacetime)の波紋を使用してこれまでに検出された中で最も大規模な合体で、中間ブラックホールの最初の決定的な例を創りました。

 

天文学者達の国際共同研究は、太陽の 142個分の質量を持つブラックホール(black hole)の形成を観測しており、これは、中間質量のブラックホール(intermediate-mass black hole)の最初の決定的な証拠です。 ブラック ホールは、地球から検出できる時空のさざ波の重力波(gravitational waves)で、これまでに検出された中で最も大規模なブラックホールの合体の結果でした。

この合体は、新しい種類のブラックホールの最初の例を生み出しただけでなく、合体するブラックホールの 1 つが「禁じられた質量(forbidden mass)」を持っていました、それ[禁じられた質量のブラックホール]がどのように形成されるかは、私達の通常の理解で説明できていません。

「私は、次のことは注目に値すると思います。私達は、『ここにあるブラックホールは、星がどのように崩壊するかについての私達の古典的な理解では説明できない』ことについて、明確に観察を得ました」と、ノースウェスタン大学(Northwestern University)の天体物理学教授で、発見論文へのリーゴの科学的コラボ編集委員会(LIGO Scientific Collaboration Editorial Board)の査読者の、クリストファー・ベリー(Christopher Berry)氏は述べました。

これらの発見は、2つの世界の重力波検出器の、レーザー干渉計重力波天文台(Laser Interferometer Gravitational-Wave Observatory、LIGO)と、ヴァルゴ干渉計(Virgo interferometer)により可能になりました。 水曜日[2020/09/02]に、フィジカル・レビュー・レター(Physical Review Letters)誌と天体物理学ジャーナル・レター(Astrophysical Journal Letters)誌に公開された関連論文は、GW190521 と名付けられた信号を説明しています。

ブラックホールにはさまざまなサイズがあります - 例えば、恒星質量(stellar-mass)のブラック ホールは太陽質量の数倍から数十倍の範囲にある一方で、超大質量ブラック ホール(supermassive black holes)は太陽質量の数十万倍から数十億倍の範囲のものがどこにもあります。 恒星質量ブラックホールは、重力が、星の中心での核融合反応により生成される力より勝り、星が内側に崩壊するときに形成されます。 しかしながら、太陽質量の 130 倍より重い(a)星は、それらが崩壊したときにブラック ホール(これは、太陽質量の 65 倍以上です)を生成することはありません。対不安定[型](pair instability)と呼ばれる現象のためだからです。

彼らが、GW190521信号を分析したとき、研究者達は次のことを発見しました。合体して中間質量ブラックホールを形成するブラックホールの 1 つは、約 85 [倍の]太陽質量で、ベリー氏が「禁じられた質量」と呼んだものの範囲内にそれをきっぱり収めます。

「対不安定[型]になる物理学は十分に理解されており、そのため私達は、星の崩壊(star collapsing)から直接ブラックホールを作る方法以外に、別の方法を必要としています」と、彼は述べました。

太陽質量の 85倍のブラッホールは、2つの小さな[ブラック]ホールが合体して形成された第 2 世代のブラックホールであり得ますし、そうかまたは、2つの星が融合して 1つの星の核を維持した結果であり得ます。 ブラックホールは、宇宙の歴史のとても早い時期に形成されることもでき、それが原始ブラックホールです。

GW190521 信号は、別の天文学的なミステリーの解決も指摘しています; つまり、私達の[天の川]銀河の中心にあるような超大質量ブラックホールの形成です。 この観測まで、恒星ブラックホール超大質量ブラックホールの間の範囲の、中間質量ブラックホールの直接的な証拠はありませんでした。

 

(追加GIF BlackHole Lensing ウィキメディア経由3.0 クレジットAlain r)

 

その名の含意が示すように、ブラックホールはいかなる光も放出しません、そのため、以前の研究では 他の近くの宇宙の天体体への影響に基づいて、その存在を推測していました。 しかしながら、リーゴ(LIGO)とヴァルゴ(Virgo)の重力波検出能力により、この共同作業は、高速で移動する巨大な天体(この場合は連星ブラックホール(binary black hole) )を検出できました。

「お互いの周りを周回するブラックホールがあるとき、これは完璧な重力波源です」と、ベリー氏は述べ、次のように付け加えました。この連星系の物理学は、天文学者達が理解するためにきわめて重要です。 「ルーク・スカイウォーカー(Luke Skywalker)がタトゥイーン(Tatooine)で見上げ、複数の太陽が沈むのを見るのは、私達と私達の孤独な星よりも実際には宇宙で遙かに当たり前な[光景]です。」

 

What the first LIGO detection would look like up close

(0:35) 2016/02/12 ・・・ 追加ビデオ

 

もしも、恒星ブラックホールが合体して超大質量ブラックホールができたのならば、中間質量のブラックホールは一種の「ミッシング・リンク(missing link)」かも知れませんが、この仮説を検証し、この質量範囲でさらに多くのブラック ホールを発見するためには、さらなる研究が必要です。

重力波の初の直接観測から [2020年の]9 月 14 日で 5 周年を迎えます。 ベリー氏はこう述べました、それ以来、リーゴ(LIGO)とヴァルゴ(Virgo)が発見を支援してきたペースは、今日を「重力波天文学(gravitational wave astronomy)に携わっている素晴らしい時」にしています。

「私は驚きが止まらなかったです。それは、私達がどれだけ急速に、重力波を使ったこれらの前例のない発見が成されているかによってです。」

 

 

----- 出典 -----

Scientists Detected a New Kind of Black Hole Being Born in a Bizarre Event | VICE

news.northwestern.eduwww.discovermagazine.com

 

----- 2020/09/02公開の記事を読んで -----

この頃は、日本でもパンデミックたけなわの時期で、不思議な流行を理解するためのトピックを優先しました。お蔵入りになっていたものがいろいろとあり、改めてそれらの1つのアーカイブです。

 

重力波(グラビテーショナル・ウェーブ)が観測/測定できるようになり、天体物理学/天文学に新たな世界が広がっているようです。

恒星が崩壊してブラックホールに成る条件がありますが、複数のブラックホールが合体融合してこの条件に入った場合でもプラックホールとして成り立つのかが判明していないとのことです。

どのような天体ができるのでしょうか。

合体融合するときの相互回転が残るのなら、その重力を相殺するような遠心力になれたとしたら、落ちても潰れないブラックホールに成るのかも知れません。

 

Black hole - Wikipedia ( ブラックホール - Wikipedia )

Binary black hole - Wikipedia

Supermassive black hole - Wikipedia ( 超大質量ブラックホール - Wikipedia )

Intermediate-mass black hole - Wikipedia中間質量ブラックホール - Wikipedia )

恒星ブラックホール - Wikipedia

ブラックホールの一覧 - Wikipedia

 

----- パズルのピース -----

zzak.hatenablog.jpzzak.hatenablog.jpzzak.hatenablog.jpzzak.hatenablog.jp