NSFのレーザー干渉計重力波観測装置が、重力波を検出した
NSFのレーザー干渉計重力波観測装置が、重力波を検出した
(図 グラビテーショナル・ウェーブ クレジットNASA)
Fig. 二連中性子星によって生成された重力波のイメージ。クレジット:R. Hurt / Caltech-JPL
国立科学財団(NSF, National Science Foundation)は、ワシントン州ハンフォードとルイジアナ州リビングストンの地上観測所の1組にあるレーザー干渉計重力波観測装置(LIGO, Laser Interferometer Gravitational-Wave Observatory)での重力波の検出を発表しました。
アルバート・アインシュタイン(Albert Einstein)氏は1世紀前の一般相対性理論で重力波の存在を予測し、科学者達は50年間それらを検出しようとしています。 アインシュタイン氏は、これらの波を、互いに旋回するブラックホールのような巨大な加速体が作り出した時空の織物に波紋として描きました。 科学者達は、これらの波を観測して特徴づけることに興味があり、それらを生み出す源や重力についてさらに学びます。
LIGOの検出は、天体物理学の全く新しいジャンルを開く方向に向かうために、待望の第一歩を象徴しています。 私達が宇宙について知っていることのほとんどは検出と分析で、電波、赤外線、可視光線、紫外線、X線、ガンマ線などの電磁スペクトル総ての光が含まれています。 重力波の研究は、宇宙に新しい窓口を開きます。科学者達は、電磁放射を使って学ぶことを補完する重要な情報を提供するものとして期待しています。
天文学の他の分野と同様に、天文学者達は、この新しい窓口を最大限に活用するために、地上基地と宇宙基地の両方に観測所を必要としています。 LIGOは、10〜1000サイクル/秒(10〜1,000Hz)の範囲の重力波に敏感です。 宇宙基地のシステムは、0.0001から0.1Hzまでのより低い周波数の波を検出し、異なる種類の放射源を検出することができます。 NASAは、宇宙基地の重力波観測所のコンセプトを開発する目的で、欧州宇宙機関(ESA, European Space Agency)と緊密に協力しています。
Simulation of Merger of Two Black Holes and Gravitational Radiation
(0:30) 2016/02/11
このビデオは、2つのブラックホールの合体とその結果の重力放射のシミュレーションを示しています。 色付けされたフィールドは、時空間の曲率の成分を表します。 外側のシート(赤色)は、NSFのLIGO展望台で最近検出された重力放射に直接対応しています。
クレジット:NASA / C. ヘンゼ(C. Henze)
このビデオをNASAからダウンロードするGoddardのScientific Visualization Studio
ESAは現在、昨年(2016) 12月に打ち上げられ、現在の試運転段階で LISA Pathfinder ミッションを率いており、将来の宇宙重力波観測所に使用できる技術を実証しています。 NASAはそのデモンストレーションの一環として、ST-7障害低減システム(ST-7 Disturbance Reduction System)をペイロードに提供しました。
NASAの任務は、LIGOイベントからの瞬間的なX線とガンマ線の信号を空から探しています。 重力波源によって放出された光を検出することは、いずれかの技術だけよりも事象のより深い理解を可能にします。
----- 出典 -----
www.nasa.gov(関連情報)
www.ligo.caltech.eduwww.nsf.gov
----- この記事を読んで、捕捉など -----
Fig. ノーベル物理学賞2017 Rainer Weiss, Barry C. Barish, Kip S. Thorne
グラビテーショナル・ウェーブは、時空(重力場)の曲率(ゆがみ)の時間変動が波動として光速で伝播する現象です。ひらたく言うと「時間は短くなったり長くなったり、空間は縮んだり伸びたり」で、時空間にはゆがみがあります。こうした時空間のゆがみは一定ではなく、水面を伝わる波同様に宇宙を伝わっていきます。時空間の変動をグラビテーショナル・ウェーブ(重力波)といいます。
重力は唯一次元によらないと考えられており、私達の3次元から4次元、5次元を知る手かがりになるかもしれません。
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